シリーズ世界へ! YOLO⑮
Pura Vida! コスタリカ 後編
文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)
- 2013年10月20日
Buen provecho!(ブエン プロベッチョ)
コスタリカをいただきま〜す!
ほかの国に比べて、コスタリカは「食」で有名な国ではないけれど、おいしいものはいっぱいある。コスタリカの人はたいてい、「シンプルな味付けで簡単に手早く食べられるものが一番!」と言う。
主食は「ガヨ・ピント」(gallo pinto)だ。いわゆる「ライス&ビーンズ」で、両者を混ぜて炒めたもの。ライスとビーンズを別々にして、肉、サラダ、プランテーンなどを盛り合わせたものを「カサド」(casado)と呼ぶ。組み合わせを変えれば、1日3食カサドでも飽きない。
コスタリカの女性は、結婚すると、夫婦最初の食事の時に、自分が知っているレシピをすべて作って出す。夫は好きなものだけを選んで食べる。女性はそれを見て、夫が何が好きで何が嫌いか学ぶのだという。作らなければ残されないから無駄もない、という理屈らしい。
旅の途中、「ソダ」(soda)という看板を見かけたら入ってみよう。食堂という意味で、そこかしこにあり、朝昼晩におやつまで繁盛している。バッフェスタイルで、ショーケースを見ながら好きなものを注文できる店もある。
意外においしいのが根菜で、ビーツ(beets)をゆでてマヨネーズであえたものは食べやすい。カッサバ(cassava)やアッラカチャ(arracacha)は、繊維がたっぷりで、揚げるとイモより柔らかい。
感動したのは、牛タンと、牛レバー&オニオンだ。どちらもアメリカ人が嫌がりそうな食べ物で、信頼できるソウルフードの店か、友達のお母さんの台所にでもいかない限り、アメリカではありつけない。コスタリカでは、メニューに書いていなくても、「レングア・イン・サルサ」(lengua in salsa)と言えば、牛タンをトマトソースで煮込んだ料理を出してくれる店がある。スライスしてオムレツにしてくれる場所もあるそうだ。
ほかに見かけたら試してみたいのは「オジャ・デ・カルネ」(olla de carne)。野菜や肉などをぶちこんだシチューのようなもので、風邪を引いたら食べるとすぐ治るとか。ソダでこれを注文している女性を数人見たが、ものすごい量だった。
酪農大国なのでチーズも豊富だ。ケソ・フレスコ(queso fresco)はアメリカでもおなじみだが、コーントルティーヤに巻いて食べると塩気が強調されておいしい。
飲み物は、コーヒーが世界的に有名だ。といっても生産量は世界の3%しかないので、量ではなく質で勝負している。コスタリカでは、ディカフェ(de-caf=ケミカルに浸けてカフェインを抜いたコーヒー)なんぞ飲む人はいない。すべて輸出向けだ。
ホットチョコレートは苦みも含めたカカオ豆のフレーバーを大切にしている。バニラやチリ、コーンパウダー、ブラックペッパー、ナツメグなどを混ぜると、まろやかで飲みやすくなり、カカオの味も引き立つ。
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