シリーズアメリカ再発見㉛
A River Runs Through…
テネシー州チャタヌーガ

文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)

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Cherokee Interpretive Center (Red Clay State Historic Park)

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

1140 Red Clay Park, Cleveland, TN
www.tennessee.gov/environment/parks/RedClay
オクラホマへ強制移住させられる前の、チェロキー国家の最後の「首都」だった土地。1832年から37年まで、チェロキーと連邦政府との契約交渉などはここで行われた。現在は州立史跡公園として整備され、当時の様子を一部再現。チェロキーに関する展示施設もある。「Trail of Tears」の道中も消さずに持っていった「炎」も燃えている。公園内で行われているアクティビティーや展示物などは、必ずしもチェロキーの文化ではなく、アメリカのインディアンを総じてイメージしたものになっているので注意。


Cherokee Removal Memorial Park

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

6800 Blythe Ferry Road, Birchwood, TN
www.cherokeeremoval.org
ブライス・フェリーのそばに一昨年に完成した記念碑と公園。近隣から集められたチェロキーとクリーク、黒人奴隷たちが、この地で6週間ほどキャンプをして西へ向かった。記念碑には、1835年当時の国勢調査に記録されたチェロキーの名前と、白人、黒人奴隷の人数が、それぞれ彫られている。最近、これらの子孫であるブラック・チェロキーが、部族からメンバーシップを認められないというスキャンダルも持ち上がり、報道された。碑の足元には、「Trail of Tears」の主な4つのルートが、地図として記されている。


Dunlap Coke Ovens Museum and Park

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

114 Walnut Street, Dunlap, TN
www.cokeovens.com
20世紀初頭に、石炭のコークス炉があった場所。炭鉱が閉山になってから、ゴミ捨て場になっていたのを、地元の歴史保存協会が整備して再現した。博物館もできた。毎年6月にブルーグラスのフェスティバルも開かれる。
チェロキーが強制移住させられる前にここでキャンプしていた。簡単だが「Trail of Tears」の標識がある。


Children’s Holocaust Memorial (Whitwell Middle School)

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

1 Butterfly Lane, Whitwell, TN
www.whitwellmiddleschool.org
www.paperclipsmovie.com
ナチスのホロコーストの犠牲になった600万人のユダヤ人を偲び、寛容と平和を訴える展示。1998年、校長のリンダ・フーパーさんの呼びかけから始まり、生徒たちがクリップを集め始めた。ナチスからダビデの星を着けるよう強制されたユダヤ系を支援するため、ノルウェーの人たちがクリップを胸に着けたのにちなんだ。家族や友人への呼びかけが広がって、世界中から3000万個のクリップが届いた。生存者からの手紙などもあり、活動の様子はドキュメンタリーにもなっている。校内で、手紙やクリップを展示公開している。平和を呼びかけるポストがあり、広島・長崎へのメッセージも込められている。

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