レッドフォードがニューマンと作りたかった?!
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2015年9月20日
「Butch Cassidy and the Sundance Kid」で、映画史に残る相棒ぶりを発揮したポール・ニューマンとロバート・レッドフォード。その後2人は「The Sting」でも名共演を見せ、本人も映画界もファンも3度目の共演を切望した。しかし、残念ながらそれから30年が過ぎても実現せず、ニューマンは2008年にこの世を去った。
レッドフォードは本作の原作「A Walk in the Woods」を読んだ時、これこそ、3度目の共演作にぴったりだと考えたが、ニューマンは違ったという。「彼は現実的で 『もうあれから40年も経っているし、体力的にこれができるか分からない。だから、やらない方がいいと思うんだ』って言ったんだ」と振り返る。
そうして、2013年の映画「The Company You Keep」で共演したニック・ノルティを相棒に迎え、レッドフォードは映画化を実現させた。
本作で興味深いのが、美味しい役はレッドフォード演じるブライソンではなく、ノルティ演じるカッツの方。しかし、カッツ役はレッドフォードの持つ雰囲気では無理なキャラだ。成功した作家ブライソンが、ルーザーな人生を歩むカッツとアパラチアン・トレイルに挑む話なのだが、珍道中の数々は、どちらかというとブライソンが経験することが多く、また、インテリな物言いの彼よりも、カッツの言葉の方が言い得て妙だったりする。
サンダンス・インスティテュートを設立し、インディー映画に知力を注いできたレッドフォードならではの、大人が楽しめる作品だ。
Special thanks to Caitlin Klein & Allie Wilensky /ID-PR, Margaret Gordon / PMK•BNC, Katie Doyle / The Weinstein Company
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