銃乱射事件に揺れるオレゴン
それでも「銃文化」根強く

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 10月1日、オレゴン州ローズバーグのアンプクワ・コミュニティー・カレッジで銃乱射事件が起き、9人が亡くなった。悲嘆に暮れる地元だが、保守的で銃の所有者が多く、早くも、事件によって銃規制の世論が高まることを懸念する声が上がっている。
 10月2日付ワシントン・ポストの記事(“Guns are deep in the culture of Oregon town beset by school shooting”)によると、事件が起きる約1週間前、ローズバーグでは、地元の銃愛好家クラブが主催するイベントが行われ、200の出展者が集まったばかりだった。
 ローズバーグがあるダグラス郡は、人口が約10万7000人で、保守的な土地だ。前回の大統領選では、共和党のロムニー候補が62%対35%でオバマ大統領に圧勝している。
 約3万エーカーの森林に囲まれた土地で、林業関連の仕事が地元の雇用の約1割を占めている。子供たちは、森林と製材所を見ながら育ち、森で狩りを学ぶ。
 前述の銃愛好家クラブは、100年以上前から存在している。ジュニアデーには、8~18歳の若者が射撃を学ぶ。サンクスギビングの前には、ショットガンのコンテストが行われ、優勝者が冷凍ターキーを手にするのが恒例だ。
 オレゴン州で今年、銃を購入する際の身元調査の範囲を拡大する法案が検討されたとき、ダグラス郡は法案に反対する決議を可決している。
 銃愛好家クラブのメンバーたちは、今回のコミュニティー・カレッジでの銃乱射事件は、クラブとは無関係だと主張しているが、影響は大きいだろうと認めている。

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