フレックス、実は過酷労働でした
「柔軟」なのは響きだけ

 職場の柔軟性を高めることは労働者と会社の双方に良い効果をもたらすという考え方が広まって久しいが、最近はその揺り戻しが起きているようだ。

社外週末も上司から連絡

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、労働時間の柔軟性は、働く親だけでなく企業にとっても重要で、海外の顧客と現地時間に合わせて連絡をとるスタッフを抱え、忙しい時にすぐ増員できるよう備えることは市場競争力を高める上で大いに意味があり、常に最少の資源で最大の効果を出そうとする企業の意図にも合致する。
 しかし柔軟性を追求した結果、事務系の労働者は会社を離れても仕事絡みの電話やEメールに追われ、週40時間労働は夢のような話になってしまった。
 2014年のギャラップ(Gallup)調査によると、米国の平均的サラリーマンの就労時間は週47時間で、10人中4人近くは50時間以上働いている。また求人情報キャリアアーク(CareerArc)の調査では、北米労働者の3分の2が、社外でも上司からの連絡を受けられるよう求められており、20%は週に20時間以上の私的な時間を仕事関連の作業に費やしている。
 一方、低所得層は対照的な問題を抱えており、小売り大手やサービス業は最新ソフトを使って労働需要を分刻みで予測し、時給労働者に勤務開始前に電話をさせる「オンコール・スケジューリング」を導入したため、時給労働者はその週の労働時間や所得がどれくらいになるのか直前まで分からないという状況がおきている。

成果主義やフレックス廃止へ

 このため最近は、柔軟性を重視する勤務体制を見直す動きが生まれている。ミシガン州の住宅金融会社ユナイテッド・ショア・ファイナンシャル・サービシズ(United Shore Financial Services)は、労働時間を週40時間内に抑えるため厳密な勤務計画を作り、昼食時の1時間以外は休憩を取らず、社員は6時に退社し、それ以降は仕事絡みの電話やEメールをかけたり発信したりしないという規則を導入した。
 電化製品販売のベストバイは、売り上げ増といった特定の業績目標を達成すれば従業員は望む時間帯に働き、会議にも気が向いた時だけ出席すればいいという成果主義を採用してきたが、ヒューバート・ジョリー最高経営責任者(CEO)は2013年にこの方針を撤廃。同年にはヤフーも、協力体制や革新的発想に影響を及ぼすとの理由で在宅勤務制度を廃止した。
 規制当局も、労働時間が安定しない勤務体制に注意しており、数州で調査を行った結果ギャップなどの小売り大手は相次いでオンコール・スケジューリングを廃止している。

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