ニューヨークの有名「探検家クラブ」
マンモス、ディナーに出していた?

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 1904年にニューヨークで設立された探検家クラブ。メンバーには、人類初のエベレスト山頂到達を成し遂げたエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイ、マリアナ海溝のチャレンジャー海淵計画を達成したジャック・ピカールとドン・ウォルシュ、人類初の月面着陸を行ったニール・アームストロング、バズ・オルドリン、マイケル・コリンズらがいる。
 11月9日付のフォーブス誌の記事(“Was Mammoth On The Menu At New York City’s Famed Explorers Club?”)は、このクラブのメンバー以外誰も知らない「神話」を紹介している。
 マンハッタンの東70番街にあるクラブの本部には、「イエティの頭皮」というラベルが貼られた遺物と、4本の牙を持つ突然変異した象の化石が置かれているが、これらはメンバーのなかでも特に優れた業績を持つ探検家たちにしか見ることが許されていない。
 もうひとつの秘密は「珍獣ディナー」だ。一流のシェフが料理したタランチュラや狩猟肉などが供される。
 11月、イエール大学の研究者らがこの伝説の晩餐会について調査した結果を、メリーランド州ボルティモアで開かれた米国地質学会会議で発表した。
 1951年の晩餐会では、アラスカ探検旅行で発掘された冷凍マンモスが出た。当時のメディアは大騒ぎし、論争が巻き起こった。
 その肉の一部が、イエール大学のピーボディー博物館に保管されている。しかしラベルには、マンモスではなく「南米大型地上性ナマケモノ」と書いてあるのが謎とされてきた。
 今回、研究者らが、この肉の残りのDNA解析を行ったところ、実は、肉はマンモスでもナマケモノでもなく、アオウミガメだったことが判明した。マンモスの肉を出したというのは、世間を騒がせてクラブへの好奇心をあおる宣伝行為だったようだ。
 ちなみに今年11月上旬にフロリダで行われた探検家クラブの晩餐会では、メニューに、ミノカサゴ、イノシシ、ビルマニシキヘビが並んだという。

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