第12回 「日本とのご縁」

文&写真/小野アムスデン道子(Text and photos by Michiko Ono Amsden)

Travel Portlandと
日本との驚きのご縁

 トラベルライターとして情報収集のためにポートランドの観光協会であるTravel Portlandを最初に訪れた時にはとても驚かされた。何といっても応対に出て来た国際観光部長は日本語がペラペラ。そして日本人の女性スタッフまでいるという。以来、ポートランドらしさを語らせたら右に出る者がいない名コンビ、ジェフ・ハマリーさんと古川陽子さんには本当にお世話になっている。

 陽子さんは、2000年にポートランド州立大学に社会人留学をしたのがきっかけで、ポートランドで就職、結婚をされて在住15年目。そして、生まれも育ちもポートランドのジェフさんは、最初に日本に興味を持ったのは、禅の本に共感した高校生の時で、通算、日本には15年いたという経歴の持ち主だ。高校時代、日本語の授業も受けたジェフさんは、日本に1年間の滞在カリキュラムのある大学に進み、京都に住んだ。その後には奈良の禅寺に入って、冬の厳しい修行を経験。托鉢もやったという。大学卒業後に、英語教師として日本に再来日した理由は、なんと鼓を習いたかったから。広告代理店に就職した時は、外人タレントの走りでテレビにも出たそう。その後、テレビ関連の仕事が長く、全米で放映するアメリカのニュースのプロデューサーにもなり、毎日、多忙を極めた。奥様の希望もあって91年に帰国すると、またもや日本とのすごいご縁に出会う。高校時代の日本語クラスの恩師が、オレゴンの旅行代理店の社長になっていて、観光協会のアジア担当の仕事を紹介してくれたのだ。大好きな日本とポートランドを繋ぐ、まさにジェフさんにとっての天職だった。

Travel Portlandのジェフ・ハマリーさん(右)と古川陽子さん(左) Photo © Michiko Ono Amsden

Travel Portlandのジェフ・ハマリーさん(右)と古川陽子さん(左)
Photo © Michiko Ono Amsden

 
Travel Portland(日本語)
www.travelportland.jp

 

自然とビールを満喫
自転車で走り回れる街

 ジェフさんによると 元々、木材や農作物の日本への輸出や80年代の企業誘致で水がきれいだったことから日本の半導体メーカーの支社が来たりなどの繋がりがあったそう。観光先としてポートランドが注目されるきっかけは、ナイキが創業し、その成長につれてクリエイティブな才能が集まったことだという。コロンビア・スポーツウェアもポートランドで生まれた企業、ブーツなどで有名なキーンの本社もある。そして、今、そんなクリエイティビティが食の世界で花開いていて、アメリカ北西部の美食の都として評価されている。

 ジェフさんと陽子さんにポートランドでのお気に入りを挙げてもらった。ジェフさんが、好きなアクティビティはハイキングやキャンピング、トレイル・ウォーキングなどで自然を満喫すること、そしてクラフトビールを味わいながらのダーツ勝負。また「何といっても町中を自転車で走り回れるのがいいね。ビールも飲めるしね」と笑う。陽子さんも車を持っていない。陽子さんは、おすすめスポットについて「歩行者、自転車、バスやライトレールの公共交通機関のみが走る新しい橋(ティリカム・クロッシングTilikum Crossing)は、ポートランド的ですよね。工業地帯が再開発されつつあるセントラル・イーストサイドは、まだあまり知られていなくて、穴場のお店が見つかります」ととっておき情報を教えてくれた。

市民の足、自転車。ホーソンブリッジにて © Jamies Francis and Travel Portland

市民の足、自転車。ホーソンブリッジにて
© Jamies Francis and Travel Portland

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小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

ライタープロフィール

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ。旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、翻訳多数。日本旅行作家協会会員。

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