なぜ米国市民権を申請するのか? その2

文/デビッド・シンデル(Text by David Sindell)

前回[なぜ米国市民権を申請するのか? その1]より、米国市民権取得のメリットについてお伝えしていますが、後半の今回は続く3つ目のメリットと、取得の手続きの際に立ちはだかる問題についてお伝えします。

3つ目は、米国市民権を得ることで、アメリカで市民としてのあらゆる条件を満たした状態で生活できることです。投票権、陪審員への参加、そして米国市民でなければ不可能なアメリカ政府での仕事に就くこともできます。米国市民権によって恩恵を得られる可能性は広がりますが、それと同時にアメリカ社会の一員としての責任も求められます。

Naturalizationの申請手続きについて考えるにあたり、注意すべき落とし穴とは何でしょうか?

ほとんどの米国市民権申請はスムーズに進んでいるようですが、申請者の中にはこれまでの犯罪歴や状況が米国市民権の取得にどのように影響を及ぼすかについて留意すべき人々もいます。よくある事例は以下の通りです。
離婚や養育費の支払い義務について。申請者が負担する離婚歴や養育費の支払い義務がある場合、申請者はそれらが米国市民権の申請に与える影響について考慮する必要があります。現在進行中の支払い義務などがあれば、それについて詳細に説明した文書を提出することも有効です。アメリカ政府は、養育費の支払いやその他離婚に関係した支払い義務などの滞留に対しては非常に重要視するため、申請者の米国市民権取得に悪影響を与えかねません。

また刑事事件におけるいかなる逮捕歴や有罪判決も、たとえその事件が完了していたり、すでに最終判決が下されていたとしても、Naturalizationの申請に影響を与える可能性があります。申請者は刑事事件の逮捕歴や有罪判決がNaturalizationの申請に与える影響を認識しておく必要があり、申請の障害となりうるであろう、逮捕なのか有罪判決なのかを決定づける詳細な内容についても十分に確認しておく必要があります。刑事事件であることが決定的な場合、厳しい判断が下される可能性があり、また著しくモラルに反した犯罪であれば、申請に大きな悪影響を与えかねません。

Naturalization申請のタイミングも重要です。米国永住権保有者が米国市民権の申請要件を満たすには、申請者本人が継続的に米国に存在することが絶対条件です。もし申請者が6カ月や1年を超えて海外に渡航または居住する場合、米国永住権の申請目的である、居住の継続性を断つことになってしまいます。またアメリカでの必要居住期間を満たす前に申請するなど、申請が早すぎた場合も問題になります。

米国市民権の申請を考える際には、犯罪歴などを持たないようにすること、そして申請の時期についてしっかりと確認することが、途中でつまずくことなくスムーズに手続きを進めるために重要なことと言えるでしょう。

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デビッド・シンデル (David Sindell)

デビッド・シンデル (David Sindell)

ライタープロフィール

NY州およびNJ州弁護士資格。外国法事務弁護士(外弁)として東京第2弁護士会所属。アメリカ移民法弁護士協会所属。日本語、フランス語に堪能。

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