アメリカ エネルギーロードを往く
ニューメキシコ編

文&写真/水島伸敏(Text and photos by Nobutoshi Mizushima)

 

ニューメキシコ南部、デミング近郊のソーラーファーム Photo © Nobutoshi Mizushima

ニューメキシコ南部、デミング近郊のソーラーファーム
Photo © Nobutoshi Mizushima

 いつからエネルギーのことを考えるようになったのだろう。そんなことを思いながら走っていると、車はいつの間にかテキサスからニューメキシコへ。その南東にある街、カールスバッドに入った。ずっと続いていたオイルフィールドが終わりかけてきて、乾いた大地がさらに渇きを増しているように見える。ハイデザートと呼ばれる高地の砂漠地帯。ニューメキシコ特有のその地形が風景を覆い始める。道はその中へたんたんと続いている。

 長いドライブはいろいろなことを考えたり、思い出したりする。15年ほど前、ニューヨークで電力自由化が起きたときは、ただなんとなく環境のことを思って風力を選んだ。でも、高い請求書が届きだすと、結局すぐもとに戻してしまった。普段の生活ではお金が基準になってしまう現実を自分自身で証明していたので、あまり偉そうなことは言えない。それでも、東日本大震災以降は嫌がおうにもエネルギーのことを考えさせられるようになった。原発事故の影響が続く日本で、今年から電力の自由化が始まる。みんな何を基準に自分の使うエネルギーを選ぶのだろうか。

 カールスバッドの街はずれには、かつて地下核実験が行われた場所がある。そして、そのすぐ上に今は、WIPPという核廃棄物隔離試験施設が建てられている。処理できない核の廃棄物は、地下655メートルの場所で隔離保管しているだけ、つまり、過去の実験で汚した地下に、今度は放射性廃棄物を埋めていこうということだ。なんともアメリカらしい合理的な考え方だと少し感心してしまう。
 

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