自動運転車の敵は劣悪な道路
米国では高度技術が必要に

Photo © LAD0T

Photo © LAD0T

 米国の道路は状態の悪い部分が多く、自動運転車を開発する自動車メーカーはより高度なセンサーや地図作成技術による対応を強いられている。
 ロイター通信によると、2015年11月のロサンゼルス自動車ショーでボルボが行った報道機関向け試乗会では、準自動運転の試作車が車線を認識できず自動走行できなくなり、取り乱したレックス・カーシーメーカーズ北米法人最高経営責任者(CEO)が同乗のエリック・ガルセッティ市長に「車線が見えない。あなたはこの腐った道を塗り直す必要がある」と声を上げる一幕があった。テスラのイーロン・マスクCEOも最近、車線がかすれて見にくい問題を「クレイジー」と呼び、準自動運転車を混乱させると不満を漏らしている。
 運輸省によると、国内の道路の65%は状態が劣悪で、交通インフラに関する世界経済フォーラム(WEF)の14〜15年国際競争力番付では12位となっている。テスラ、ボルボ、メルセデスベンツ、アウディなどは、自動で高速道路を走行し、車線変更や駐車もできる車の開発を進めているが、車線がかすれて見えにくく、標識や信号の形が統一されていないといった環境では車が混乱しやすい。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る