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スキルアップ&キャリアップ
生涯学習スクールガイド
- 2016年10月1日
- 2016年10月号掲載
宝石の専門家になる
- 履修科目:宝石学、ジュエリーデザイン他
- スクール: Gemological Institute of America
- 拠点:ニューヨーク、カールズバッド(カリフォルニア)
- オンラインプログラム:有
- 詳細:http://www.gia.edu/JP/gem-education
たとえ宝石に詳しくない人でも、ダイヤモンドの品質を表す4Cという言葉を聞いたことがあるだろう。品質判定の要素となるカラー、カット、クラリティ、カラットの頭文字をとったこの国際基準は、宝石鑑定士を始め宝石業界のプロフェッショナル36万5000人を輩出してきたGIA( Gemological Institute of America)が1950年代に定めたものである。
GIAの歴史は1931年に遡る。「宝石の鑑定方法をより系統立ったものとし、さらに多くの人にその知識を共有してもらうことで、宝石業界の発展に寄与したい」と願った、宝石店経営者シプリー夫妻が私費を投じて創設した。研究機関としてだけでなく教育機関としても門戸を開き、やがて「宝石業界のハーバード」と呼ばれるようになったという。
現在、オンラインを通じ、その多くのプログラムを世界中のどこからでも学ぶことが可能だが、キャンパスはカリフォルニア州のロサンゼルスとサンディエゴの中間地点のカールズバッドと、ニューヨークはマンハッタンのダイヤモンドディストリクトの2カ所にある。ただし、GIA広報担当のクリスティン・メイハンさんによると「効率的に短期間で学ぼうと思えば、キャンパスに通学して履修されることをお勧めします。宝石の専門家としてのキャリアを構築できる、ハンズオンのプログラムであるグラデュエートジュエラープログラムは、学内の最新設備や機器を使って少人数で徹底的に腕を磨きます。宝石鑑定技能資格を取得するまでおよそ半年のプログラムです」ということだ。
気になる費用は、同プログラムの場合、学費が2万1400ドル、教材費などを含めると2万3182ドル。修了後のキャリアとしては、ベンチジュエラー(加工机で宝石に関する製作、修理などを行う人)、カスタムオーダージュエラー、修理技術者、製造責任者、品質管理専門家からプロフェッショナルバイヤーまでがあげられる。GIAではもちろん、ダイヤモンドについてのみ、鑑定のみ、ジュエリーデザインのみを学ぶことも可能で、受講者の目的に沿って様々なプログラムが用意されている。
そして現在、活躍中の卒業生は世界に約10万人いる。GIAを修了すると晴れてGIAメンバーとなり、世界各地にある支部が主催するミーティングに出席できる。このミーティングの目的は、業界内のネットワーキングはもちろん、最新情報の共有など、同窓生間の生涯の関係性維持にあるのだとか。
また、メンバーシップだけでなく、GIA生としての魅力的な特典が、GIAが主催するキャリアフェアに参加できること。「毎年、GIAは、カールズバッドとニューヨークでジュエリー業界の企業を招請しキャリアフェアを開催しています。1991年開始のこのイベントでは、業界のリーダーによるパネルディスカッション、1対1のキャリアコーチング、そして企業による採用面接が行われます。数千人のアプリカントに対して数百社とマッチングを行う、という非常に大規模なものです」(クリスティンさん)
こうして宝石関連企業に就職し経験を積んだ後に、起業を実現する卒業生も多いということだ。
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