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仕掛け人に聞く
日本の食ニューウェーブ
- 2016年11月1日
- 2016年11月号掲載
日本酒
丹精込めたプレミアムなイメージを確立

高級感漂う、純米大吟醸の白鶴錦
この白鶴錦を使った純米大吟醸酒であり、同社がアメリカで現在最も力を入れている商品が、7月にロサンゼルスで販売を開始した白鶴錦だ。「華やかで爽やかな香り、そしてふくよかなボディのある辛口酒です。香りと味の両方のバランスが取れた酒だと自負しています」と特徴について語るのは、Hakutsuru Sake of Americaの酒スペシャリト、飛田良樹さん。

Hakutsuru Sake of Americaの酒スペシャリト、
飛田良樹さん
味が優れていても、見た目が消費者にアピールするものでなければヒットには繋がらないという信念のもと、アメリカ市場を中心的に捉えた世界共通デザインで完成したのが白地にゴールドを配した華麗なパッケージである。アメリカ人の意見を取り入れた上で「お酒好きなアメリカ人にとっても、今や純米大吟醸はそのまま通じるため、Junmai Dai Ginjoとの表記で入れました」と飛田さんは語る。
気になる値段は、小売店での目標価格が79ドル99セント。これからのギフトシーズンには贈り物として、またパーティーや大切な記念日にも活躍しそうだ。日本で最も販売量が多く手頃なイメージもある白鶴だが、この新商品では「米から丹精込めて作り上げた最高の日本酒」としてのプレミアムなブランドイメージを確立しようとしている。

自由なスタイルで楽しみたい淡雪
値段と同じく楽しみ方もルール不要なカジュアルなスタイルを提案していくという。「米本来の自然な甘みが感じられるのでそのままでも十分ですが、趣向を変えて、コロナビールのようにレモンを入れたり、またストローで飲んだりしてもいいと思います。さらにベリーやネクターと合わせるのもおすすめします。今までの日本酒とは違って、ポップに飲んでいただきたいですね」
そして、現在アメリカで好調に売り上げを伸ばしており、今後もさらにその勢いを加速させたいと同社が考えているのが、濁り酒のさゆりだ。味は飲みやすく、ピンク色の可憐な女性を連想させるボトルデザインが人気の秘密だと、ライフスタイルメディアのgayotでも分析されている。
プレミアムな純米大吟醸、ポップなスパークリング、そして飲みやすい濁り酒と、これからの日本酒は商品ごとに異なる特徴を押し出すことで、より広い層の支持を集めていくことが期待できそうだ。
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