永住権放棄後の
帰国居住者ビザ(SB-1)申請(パート①)

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

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 アメリカ国外に居住することを選択した永住権(グリーンカード)保持者が、外国に住みながらグリーンカードのステータスを維持できる時間に関する規則や制限があることをご存じでしょうか。例えば、再入国許可なしでアメリカ国外に一度に1年以上滞在した場合、グリーンカードの自動放棄を引き起こしてしまいます。つまり、有効な再入国許可書を持たないグリーンカード保持者が、アメリカ国外で1年以上過ごした場合、アメリカへの再入国が許可されないことになります。グリーンカードは放棄されたとみされ、グリーンカード保持者はアメリカに入国するための新しいビザが必要となります。また、その時点で新規のグリーンカードのプロセスを開始し、再度グリーンカードを取得する資格がある場合に限られます。

 ただし、不可抗力によりアメリカ国外に滞在せざるを得なかった場合は、帰国居住者の特別移民ビザが発給され、放棄されたグリーンカードを復活させる申請が可能です。それが帰国居住者ビザ(SB-1)と呼ばれる申請です。

 SB-1帰国居住者ビザが許可された場合、新たに移民ビザを申請するための請願書が不要となります。SB-1申請の手続きの一部として、通常は、帰国居住者の申請の面接と、その後実際に移民ビザを取得するための面接を受ける必要があります。SB-1申請者は、移民ビザを受給する資格があることを立証し、健康診断を受けなければなりません。

 帰国居住ビザの申請の重要なポイントは、申請者がコントロールできない特殊な状況のもとにあったためにアメリカに戻ることが不可能だった、という点です。SB-1申請者は以下の項目を証明する必要があります。

①最後にアメリカから出国した時点で、永住権保持者であった。
②アメリカを出国した時点で、アメリカに戻ってくる意思を持っていた。また、アメリカ国外で居住している間、その意思を持ち続けていた。
③アメリカ国外への短期滞在後にはアメリカへ戻ること。もし国外での滞在が長引いた場合は、それが申請者本人の責任ではなく、不可抗力な理由によるものであった。
④申請者が他の全ての要件を満たし、移民ビザを取得する資格がある(無犯罪歴、健康診断等)

 SB-1申請では、申請者のアメリカとのつながりを書類で証明することも必要です。しかし、審査の主な焦点は、アメリカ国外での長期滞在において不可抗力な理由であったかどうかに当てられます。ですので、明確な証拠を提示し、特別な状況下にあったことを説得させることが審査においての重要ポイントになります。

 ※本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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