知っておきたい基本情報
アメリカの保険

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会社と従業員を守る
企業保険

 日本よりも格段に訴訟の件数が多いアメリカ。会社を守るために加入しておきたい保険について知るため、カリフォルニアに本社を構え、全米50州の法人にサービスを提供しているセブンコーナーズインシュランスソリューションズ・インクを訪ねた。

 代表の中村大介さんは、企業がアメリカで加入すべき保険種類は多数あるが、その中で雇用に直接的に関係する保険として労働者災害補償保険(Workers Compensation)や雇用慣行賠償責任保険(Employment Practice Liability Insurance)があると言う。その中で近年加入が進んできた雇用慣行賠償責任保険は「従業員側が差別、ハラスメント、不当解雇、報復人事など、雇用にまつわる問題で会社または個人を訴えてきた際に企業を守るのがこの保険です。特にカリフォルニアやニューヨークでは加入の必要性が圧倒的に高いと言えます。それは各州の雇用法の違いにも深く関係していると言われます。差別や不当解雇の要因としては、年齢、性別など様々ですが、日本との違いとしては 人種的な差別が固有のリスクと考えられます。また、会社側としていかに一定の段階を踏んで解雇を敢行したとしても、従業員側に『不当解雇』であり『私は差別を受けていた』などと訴訟を受けてしまうことが十分考えられます」

「保険は万能ではない。リスク管理が重要」と強調するセブンコーナーズインシュランスソリューションズの中村さん(左)と掘家さんPhoto © Keiko Fukuda

「保険は万能ではない。リスク管理が重要」と強調する
セブンコーナーズインシュランスソリューションズの中村さん(左)と掘家さん
Photo © Keiko Fukuda

 雇用訴訟の案件の場合、示談で解決するケースがほとんどだと言う。その時の示談金や弁護士費用を捻出できるだけの金額が補償されるように加入する必要があるが、「実際にその事案によって示談金額は異なります。一般的には申し立て内容によって変わりますが、不当解雇などは給与や勤続年数などをベースに示談金が算出される傾向にあります」とのこと。

 同社では、全米の日系企業を対象に保険サービスを提供しているが、クライアントのうち70%がこの雇用慣行賠償責任に加入している。以前は小規模の企業は加入を見合わせること多かったが、その後、訴訟数が増大した背景もあり、今は逆に訴訟リスクを恐れず毅然とした適正な経営判断を行う為にも中小企業にとっても加入の必要性は大きいと同社では説明している。

 また、中村さんは「保険は万能ではない、ということも知っていただきたいですね」と言う。「保険に加入しておけば万が一の時も大丈夫、ということで安心するのではなく、日頃からリスクを回避するためのリスクマネジメントを実行することを強くお勧めしています」

 その点では、イリノイ州のシカゴ支店を拠点に顧客を担当する同社アシスタント・バイスプレジデントの木村允人さんは「工場が多い地域ですが、リスクマネジメントやロスプリベンション(予防)の具体的な取り組みが重要であると思います」と語っている。

 アメリカで事業を運営していくには、何より、経営の考え方をローカライズしていかなければならない。日本にいる時と同じ考え方で「うちは大丈夫」と、リスクを予防しないでいると後で足元をすくわれることになりかねない。しかも、保険未加入のまま訴えられて痛い目に遭った後、「次回に備えて保険に入ろう」と思っても、その時は保険料が跳ね上がるか、補償が発動するまでの自己負担金が非常に高額に設定されるか、または加入自体を断られるケースもあるということを念頭に置いておきたい。特にアメリカの日系企業では、日本国内で保険が担当外だった人も多い。「保険内容は前任者が加入したまま」にせず、定期的な見直しを強く推奨すると同社ではアドバイスしている。

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Seven Corners Insurance Solutions, Inc.
全米50州の法人を対象に損害保険分野、健康保険含む福利厚生分野のブローカーサービス、コンサルティングサービスを提供、リスクコンサルティングおよび各種指標分析による保険プログラムの改善に注力している。
310-347-3100(ロサンゼルスオフィス)
847-466-1530(シカゴオフィス)
www.sevencorners-is.com
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