EB-5投資詐欺に注意しましょう!

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

 米国証券取引委員会(SEC)および帰化移民局(USCIS)が共同で、投資プログラムであるEB-5に関する警報を発行しています。近年EB-5プログラムを通じて永住権を取得しようとしている外国人投資家をターゲットにした不正投資詐欺が発生しており、SECはEB-5プログラムを管理するUSCISと緊密に連携して、投資詐欺に停止をかけるための緊急執行措置を講じています。

EB-5プログラムは、投資によって米国で雇用が創り出されることを証明することにより、外国人投資家が合法的に永住権を取得できる可能性がありますが、プログラムを利用して不正な証券提供を行っているセンターが存在することを、USCISおよびSECは認識しています。EB-5プログラムではUSCISにより指定された「リジョナルセンター」を通して投資をしますが、リジョナルセンターに指定されているからといって、USCISやSEC、またはその他の政府機関が、そのビジネスによって提供される投資や投資の質を承認したことにはなりません。

最近の訴訟では、SEC対マルコラミレズ他の事件において、USA Now Regional Centerを含む被告らが、投資家に対して5%の利益およびEB-5ビザを取得できる機会においての偽りの約束をしたとして、USCISとSECが投資詐欺の疑いを主張しています。この事件では、USCISが被告らをリジョナルセンターと指定する前に、投資家の招集が開始されたと言われています。さらに、被告は投資金はUSCISから事業の承認が下りるまでエスクローに保管されると伝えておきながら、実際にはレストランへ投資金を提供するなど、投資金を個人的に悪用したと原告側は主張しています。訴状には、USA Now Regional Centerを通じて投資した結果、投資家は条件付きのビザを取得することはできなかったということです。

また、SEC対シカゴコンベンションセンター他では、1億5600万ドルにおよぶ投資詐欺裁判となり、被告が投資家を募集するために虚偽の情報を使用したと原告は主張しました。SECによると、被告はシカゴのホテルおよび会議センターへの投資として、建物建築に必要となる許可書を全て取得済である、またこのプロジェクトがいくつかの主要なホテルチェーンによってサポートされているというような誤解を招く情報を投資家達へ伝えたようです。また、訴状によると、被告らはEB-5ビザの申請が却下された場合、投資家が支払った投資管理手数料を返還することを投資家に約束したにも関わらず、被告らはUSCISがビザ申請を、審査を行う前に、個人的に浪費したものも含め、投資管理手数料の90%以上を使ってしまったということです。

EB-5プログラムは他の投資と同様に、投資をする前に徹底的にプログラムやリジョナルセンターについて調査をすることが重要です。リジョナルセンターの情報は、USCISのウェブサイトからも閲覧できます。残念ながら、このような詐欺にあう方は少なくありませんので、EB-5投資家の方は十分にご注意ください。

※本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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