第3回 「全米一長いバイクトレイル」
ミズーリ州

文&写真/小野アムスデン道子(Text and photos by Michiko Ono Amsden)

ゆったりと流れるミズーリ川の横を走ってみる。
Photo © Michiko Ono Amsden

まずはミズーリ州最高峰を制覇

広いアメリカ、旅先にはことかかないようで、意外と他州に目が向かないのでは? こんなところがあったのかという旅先をアウトドアスポットを中心に紹介していくシリーズの第3回は、アメリカ中西部のミズーリ州。第2回のアーカンソー州からミズ―リ州にかけては、緑豊かな山地を含むオザーク高原が広がっている。

このオザーク高原にあるタウム・ソーク・マウンテン州立公園は、7500エーカーもの広さを誇り、数々のトレイルにチャレンジできる。上級者には、隣のジャンソンズ・シャッティン州立公園まで歩く10時間(13マイル)のコースや、果てはア―カンソー州まで続くオザークトレイルなどハードなコースも。ミナ・ソーク滝までのトレイルは3マイルと歩きやすく、かつミズーリ州で最高峰のタムソーク山を制覇することができる。と言ってもタムソーク山の山頂は標高540mで高尾山より低いぐらいなのだが、ちゃんとここが山頂という標示があるので、州最高峰を制覇したというちょっとした達成感を味わえる。15億年前の地層という岩場の道は、かなりデコボコで、2時間半のコースでくたくたになるほどなので、舐めてかかるとたいへん。山歩きに適したシューズで歩くことをおすすめする。

長いコースを歩くのにきちんと装備したハイカーとすれ違う
Photo © Michiko Ono Amsden

どこまでも続きそうな
バイクトレイルを行く

全米一長いミシシッピ川沿いにあるミズーリ州。ミズーリ川というミシシッピ川に注ぐ川の流域に作られたケイティトレイルは、全長386kmとミズーリ州をほとんど横断する全米一の長さを誇るバイクトレイルだ。その東端マッケンズに近いセント・チャールズにバイクトレイルの起点としてちょうどよいバイクレンタルを併設したカフェ「バイクストップ・カフェ」がある。自転車レンタルは1時間7.5ドル、1日45ドルなので、この長いトレイルの一部を気軽に走ってみることができる。19世紀の建物が残る街並なども眺めながら川沿いを走るのはなかなか快適だ。

ここから約60km、車で45分ほどのキムズウィックという町にある「ザ・ブルー・オウル・レストラン&ベーカリー」という店のアップルパイは、クリスマスには全米一というほどの売り上げを誇る超人気商品。りんご18個を使い、これまた、たぶん全米一の高さというびっくりするほど大きいアップルパイを求めて、いつも行列ができている。創業者のマリー・ホスティラーさんが作るアップルパイは、人気女性司会者オプラ・ウィンフリーがお気に入りで取り上げたほど。ぜひ味わってみてほしい。

マリーさんが差し出したアップルパイの大きさにびっくり
Photo © Michiko Ono Amsden


■ タウム・ソーク・マウンテン州立公園
Taum Sauk Mountain State Park

https://mostateparks.com/park/taum-sauk-mountain-state-park

■ バイクストップ・カフェ
Bike Stop Café

http://www.bikestopcafes.com

■ ザ・ブルー・オウル・レストラン&ベーカリー
The Blue Owl Restaurant & Bakery

http://www.theblueowl.com*ミズーリ州セント・チャールズは、LAから約3時間半、NYから約5時間半(乗換え有り)のランバート・セントルイス国際空港から約10マイル。

取材協力 ミシシッピー・リバー・カントリーUSA https://mrcusa.jp

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

ライタープロフィール

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ。旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、翻訳多数。日本旅行作家協会会員。

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  2. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  3. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  5. 私たちは習慣や文化の違いから思わぬトラブルに巻き込まれることがあり、当事務所も多種多様なお...
  6. カナダの大西洋側、ニューファンドランド島の北端に位置するランス·オー·メドー国定史跡は、ヴァイキン...
  7. 2023年12月8日

    アドベンチャー
    山の中の野花 今、私たちは歴史上経験したことのないチャレンジに遭遇している。一つは地球温暖化...
  8. 2023年12月6日

    再度、留学のススメ
    名古屋駅でホストファミリーと涙の別れ(写真提供:名古屋市) 以前に、たとえ短期であっても海外...
ページ上部へ戻る