アルツハイマーを知る

カリフォルニア大学アーバイン校の調査研究では、80歳を超えると3割の人が発症するというデータもあるアルツハイマー病。ここでは5月にサウスベイマネジメントセミナー主催の三橋将人氏を講師に迎えた「アルツハイマー」勉強会の模様をダイジェストでお届けする。

診断と治療の問題点

認知症とは何か? 生後に正常に発達した諸々の精神機能が慢性的に減退することで、日常生活や社会生活を営めない状態を言う。現状は、検査結果で判断するのではなく、臨床診断で判断している。よって誤診が起こる可能性がある。15分ほどの自己診断テストがある。また、診断できるゲームもある。

アルツハイマーとは認知症の1つのタイプである。アルツハイマーになった脳には、プラークとタングルが見られる。しかし、これは死亡して脳を切って初めてわかることである。海馬が小さくなるのも特徴である。このプラーク、タングル、縮小した海馬という3つの条件が重なるとアルツハイマーということになる。海馬とはコンピュータで言うとメモリーの機能を果たす。よって、ここが小さいとマルチタスクができなくなる。

プラークとはアミロイドという物質、タングルはタウという物質。それらが頭の中にたまらないようにすれば良い。そこで製薬会社がアミロイドを除去する薬を開発中。しかし、他の製薬会社が開発した薬で失敗したものもある。物質が減っているが、症状に効かない。治験の問題点は、症状が出る前に治験を開始する必要があるため、長期間に及び、莫大な費用がかかるという点だ。また、薬は病気にかかった人を治療する目的のものである。症状が出る前の人に薬を使っていいのかという倫理的な問題もそこにある。

アルツハイマーの超早期診断はどうしたらいいのか? 頭の場合はバイオプシーで切ってはいけない。髄液検査は難しい。

アルツハイマーを予防するにはどうするか? 症状は渋滞が激しいロサンゼルスの交通網に例えられる。プラークは事故車であり、タングルは故障車。これらの存在で道路がスムーズに動かない。(故障を)回避するために車のメンテナンスが重要となる。血液を良い状態に保つこと、それによって糖尿病を防止することにもなる。実際、糖尿病患者がアルツハイマーになる確率は高い。万が一、車両が障害を起こした場合には、回復を早めるためにも免疫を良い状態に保っておくことが重要だ。

質疑応答

Q.遺伝と発症は関係があるか?
A.フットボールの選手が頭を激しく打つと発症しやすい。これは遺伝とは関係ない。しかし、コロンビアのある家系では、ほとんどの人がアルツハイマーになる。40代から発症してしまう。調べた結果、昔、スペインからコロンビアに移住した人がアルツハイマーになる遺伝子を持っていた。通常は遺伝と後天的な理由の組み合わせで発症する。

Q.寝たきりは良くない?
A.アルツハイマー防止にマルチタスクが良い。身体を動かしながら頭も動かすこと。たとえば、歩きながら引き算をするなど。また、外界からの刺激をいかに頭に入れるかが重要。そういう意味ではポケモンGOは非常に注目する価値があるゲームだ。

Q.防止に良い食べ物は?
A.青魚は良いと言われている。地中海で良く食べるトマト、オリーブオイルも。これらがアルツハイマーを防止すると理解して食べることが大切。信じることで非常に良い効果がもたらされる。

三橋将人。日本では小児科医。1985年にUCサンフランシスコ校に留学。UCアーバイン校キャンパスにあるHitachi Chemical Research CenterのChief Scientific Officer、同大学病理学Associate Professor兼任を経て、2014年にNanoSomiX社設立。Chief Technology Officerとしてアルツハイマー病の血液診断開発に従事。

認知症自己診断テストURL
www.ninchi-k.com/?page_id=221

取材協力:サウスベイマネジメントセミナー

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