アメリカ市民権の申請

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

 トランプ政権による移民取り締まりが一層厳しくなる中、永住権保持者への影響も懸念されています。というのも、市民でない限り、永住権保持者も過去の犯罪歴や不法行為を理由に国外追放される可能性が高まったからです。それにより、長い間、帰化せずに米国で生活してきた多くの永住権保持者も市民権の申請を始めています。市民権の申請者の数は昨年と比べてすでに約30パーセント増加しました。

 帰化プロセスとは、移民国籍法 (Immigration and Nationality Act) で設定されている要件を満たした外国の国民や市民に、米国市民権が付与される過程です。 一般的な必要条件には以下のようなものが挙げられます。

•連続した期間、米国国内に居住していること。
•帰化申請の前に、特定の米国移民許可局 (USCIS) 地区に居住していること。
•英語の読み取り・書き取り能力があり、英語を話すことができること。
•米国の歴史と政府についての正しい知識があり、その知識を実証するための市民権試験に合格すること。
•道徳的な人格者 (“Good Moral Character”) であること。

 一般的に、米国市民と結婚した合法的永住権保持者は、一定の条件を満たしている場合、米国に3年間継続的に居住した後に、帰化申請を行うことができます。 ただし、帰化の申請者は、市民である配偶者と一緒に居住していなければいけません。 合法的永住権保持者が、特定の雇用主のもとで、海外で雇用されている、もしくは駐留している市民と結婚した場合、米国の居住地要件が免除されます。

 市民となるためには、忠誠の誓いを行う必要があります。通常は、以下のことを誓います。

•米国憲法を支持し、米国の法律に従う。
•以前保持したすべての外国への忠誠の放棄をする。
•必要に応じ、米国の軍や政府のために兵役に従事する。

 帰化プロセスの最後のステップは、面接にて英語の読み取り、書き取り能力、および米国歴史や政府についてのテストが行われます。英語の聞き取り能力、話す能力については、審査官とのやり取りにより判断されます。米国の歴史と政府についての試験は、100問の質問から最大10問までテストされ、6問以上正解で合格します。出題される試験内容については、以下のウェブサイトで確認できますので事前に勉強しましょう。

 面接に合格すれば、1カ月ほどで宣誓式が行われ、そこで帰化証明書を受け取り市民となります。

※本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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