数年のアメリカ赴任期間を終え、いざ日本へ帰国するとなった時、何をどのように準備したらいいだろうか? 家や公共料金の解約、引越しまでの段取り、帰国後の子どもの学校や税金関係など役立つガイドをお届けしよう。

引越しは仕分けが重要
辞令が出たら即仮予約を

日本への帰任辞令が出た時に、帰国準備は何から始めたらいいだろう? 「帰国の航空券とほぼ同時に引越し作業の仮予約を入れることをお勧めします」と話すのは米国日本通運の引越し担当、細井正明さんだ。特に2月から3月にかけては、駐在員家庭の日本帰任が多く、直前になると予約が取りにくくなる。3月末の2週間に関しては予約が殺到するのが実情だ。

では、引越し会社に予約を入れて、次のステップとなる見積もりを取る時までには何をしておくべきか? 細井さんは次のようにアドバイスする。「アメリカで使っていた家具などをすべて日本に持ち帰るわけではないと思います。そこで持ち帰る物、捨てる物、譲る物、寄付する物、または掲示板などで売却する物などの仕分けをしていただくことが大切です。辞令が出てから帰任までは、送別会や引き継ぎなどで忙しくなるため、仕分けが後回しになりがちですが、そこの部分は引越し会社では決められないので早めの決断をお願いします」。

また、持ち帰る物に関しては、梱包荷物に入れるか、手荷物として自分で持参するかを区別する必要がある。「船便の場合、東海岸から日本ですとお手元に届くまで約70日、西海岸からでも約40日はかかります。そこで、逆算してアメリカから2カ月くらい前に送り出すことになりますが、梱包する荷物はその間に必要にならない物を入れてください。航空便であっても、ご自身の帰国と同日に日本側で受け取れるわけではないので、お子さんの学校関係の物、役所関係の重要な書類などはご自身で持ち帰っていただくようにお話ししています」。保険をかけても、替えが効かない物は梱包しないのが原則だ。

「さらに日本に持ち帰れない物があります。医薬品や化粧品、また石鹸であっても、数量によっては日本に持ち込めない物がありますので、その点は気をつけるようにしてください」
ペットに関しては、日本から連れてきたのではなくアメリカで飼い始めたケースでは、航空会社によっては受託しない犬種もある。さらに予防接種などの証明書、健康状態の証明書を取り寄せなければならないので、詳細はかかりつけの獣医に問い合わせること。

「引越しは段取りが8分といわれます。仕分けに基づいて引越し会社のスタッフに指示を出してください。また、費用の面では会社が負担してくれる上限があるはずなので、そこをしっかり確認するようにしてください」

最近は駐在員の引越しの行き先も多様化しているそうだ。アメリカから日本への引越しだけではなく、米国内のある都市から別の都市へ、さらにアメリカから日本を経由することなく、直接アジアやヨーロッパへの移動も増えている。

「受け入れ先が日本であれば、輸入手続きの規定はそれほど大きくは変わりません。しかし、発展途上国の場合はルールが頻繁に変わります。さらに、最近のケースでは、ロンドンへの移動の場合はEUからイギリスが脱退を予定していたり、テロの問題もあったりして状況が変わっています。行き先の情報は海外引越しを扱う業者さんが詳しいので、アドバイスをもらってください」

最後に自身が駐在員でもある細井さんに、「引越し荷物ではなく自分で持ち帰る物は?」と聞くと、「実は先日、ニューヨークシティマラソンに参加したのです。その時のメダルは、なくしたとしても、絶対に再発行はしてもらえないと思うので自分で持ち帰りますね(笑)。このように、他人にとっては価値が認められなくても、ご本人にしてみたら非常に大切な物はご自身できちんと判断していただきたいと思います」と答えてくれた。

取材協力:米国日本通運
https://www.nittsu.com/hikkoshi/

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