忙しいあなたに
コンビニエントフード
- 2018年2月1日
- 2018年2月号掲載
宇宙食として開発
作り立ての風味が手軽に
〜フリーズドライ味噌汁/神州一味噌
熱湯を注ぐだけで作り立てが味わえるフリーズドライの味噌汁。簡単便利で、作る手間が省け、一度完成させた味噌汁を冷凍乾燥させていることから2年間保存可能と、現在、北米市場でも利用者が増加中。もともとは、宇宙食として発明されたものだと話すのは、1662年創業の神州一味噌ブランドで知られる宮坂醸造USAのジェネラルマネージャー、深澤ヒロさん。
「宇宙飛行士の若田さんが宇宙でも味噌汁を飲めるように作ってほしいと、JAXAからリクエストされたのがそもそものきっかけです。その後、寿司文化の浸透とともに、レストランだけでなく、ご家庭でも手軽に一人分の味噌汁を飲みたいとの北米の消費者からの要望を受ける形で、フリーズドライの製品を2011年からアメリカとカナダで発売開始しました。従来の製品は味噌と具が別々のパックになっていて、容器に味噌を入れ、具も入れて、さらに熱湯を注ぐという3つのステップが必要。しかし、このフリーズドライの製品は、完成した味噌汁が具も味噌も一緒に固形になっているので、パッケージを開けて熱湯を注げばおしまいです。さらに味噌が手につく心配もありません」
アメリカ人が日本食レストランで味噌汁を飲み、「この味を家で再現したい」と思っても、出汁に馴染みがないため、味噌と具材を入れただけのスープを作り、飲んでみて「何かが足りない。レストランで味わった味噌汁と違う」と思うケースもある。ところがフリーズドライの味噌汁には出汁も含まれているため、そのような失敗とも無縁 。
現在、北米で購入できるのは、鰹節で出汁をとったオーセンティックタイプと、グルテンフリーと表示された、昆布とシイタケで出汁をとったベジタリアンタイプ。日本人にはやはりオーセンティックタイプの人気が高い。具材は豆腐、ワカメ、ネギとスタンダードだ。味噌は白味噌。「合わせでも赤味噌でも技術的には可能ですが、豆腐が味噌を吸い込むため、マイルドな味の白味噌がフリーズドライには適しているようです」。
販売されているのは日系を含むアジア系スーパーおよびホームページ。アマゾンの味噌汁部門では、頻繁に1位にランクされている。近くにアジア系スーパーがない人にはネットショッピングが便利。また、熱湯を注いだ後、少しだけ味噌汁に柚子胡椒を足しても美味しい。深澤さんは鰹出汁が入っているオーセンティックタイプで炊き込みごはんを作ることもあるとか。
深澤さんは最後にこんなエピソードを教えてくれた。「お弁当を作って配達しているチェーン店では、それまで汁物を運ぶのに蓋が取れないように注意が必要で、かつデリバリースタッフの体力も余計にかかっていましたが、弊社のフリーズドライの味噌汁を導入していただいたことで、溢れる心配もなく、持ち運びも軽くて便利。さらにゴミも減ってエコフレンドリー。配達する重量も軽くなり、ガソリン代も節約でき、味噌汁の仕込みの人件費も軽減できたと良いことづくめの結果が出ました」。
作り方と調理時間
熱湯を注いで混ぜるだけ。
http://miyasaka-usa.com
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