CBC AMERICA Corp./藤田剛​氏
「アメリカで働く」インタビュー

Photo & Text by Saori Yoshida

日本とアメリカの働き方の違いは?
どんな経緯でここに至り、どんな思いをもって仕事をしているのか。
実際にアメリカで働く人へのインタビューシリーズ。


ノースカロライナ州キャリーに本社を置くCBC AMERICAS Corp.のCOO藤田剛氏に話を聞いた。

仕事内容

1925年に創業した専門商社で、以前は中外貿易という企業名でした。化学の専門商社から始まり、プラスチックや樹脂など原料を扱う中で様々なニーズに合わせて変化してきた企業です。近年取扱商品が拡大し、現在は医薬、農薬、食品、セキュリティから繊維関連まで幅広い商材を取り扱う総合商社として活動しております。

アメリカでは大別してケミカル、床材、セキュリティーの三本柱を中心にビジネス展開をしており、またアラバマにあるグループ企業CBC INGSでは独自の成膜技術を生かして自動車関連向けなどの受託生産型ビジネスを展開しております。私が主に担当しているセキュリティー部門は機械警備で使用される防犯機器群を中心に扱っております。セキュリティカメラに使用される光学製品等を開発から製造まで自社で行っており、お蔭様で弊社製品”Computar””GANZ”は現在各国で多くのシェアを頂いており、中でもアメリカ大陸では政府関連施設や主要空港、大手銀行や各地の商業施設などに幅広く使用されております。

弊社は『創造商社CBC』を掲げ、世界に40数拠点を持つグループ企業の強みを生かしながら、企画・開発・製造から販売・MARKETING、自社倉庫での在庫・金融機能まで全てのサプライチェーンを自社で行っております。そのため「御社は商社なのですか?メーカーなのですか?」と良くお客様にも聞かれるのですが、どちらも正しいです(笑)メーカーと需要家を繋ぐサポートをするのが旧来の商社のスタイルですが、現地にコミットし顧客ニーズを常に高次元で実現することで、付加価値の高いディストリビューションビジネスモデルを確立できたことが弊社のアメリカでの40年以上に及ぶ歴史で非常に大きな成果の一つとなっております。

日米の働き方の違い

米国の大学に在学中「参加意思を自分の意見で表現しないさい」と授業で良く言われていました。それはビジネスの世界でも全く同じで、意見を言わなければそこにいることが認められないような雰囲気があります。上司であろうが、部下であろうが、意見を言わない人はリスペクトされない。そこにいるということではなく、その場で自身の意見を発言してはじめて参加したということになるんですね。

また、英語に関して感じるのは「流暢な英語」と、「伝わる英語」は違うということ。流暢に会話ができるのは素晴らしいことですが、それが人の心を掴むとは限りませんし、むしろ余計なことを言ってしまうリスクも含んでいます。完璧な英語でなくても正確に伝わることが大切ですね。不肖小生は相変わらず関西弁訛りのJANGLISHで進歩無しです。(笑)

他には、地理的な移動の大変さや時差はもちろんのこと、場所よって人種や文化が全く異なるという点でこの国の大きさを実感します。ニューヨークで決めたことがカリフォルニアやテキサスで受け入れられるとは限らない。ですので、決めたことを頭ごなしにやるのではなく自由闊達なディスカッションをして合意形成を行っていく。上意下達、所謂トップダウンではなく、ボトムアップですよね。 時間もかかりますし大変ですが、それが成功した時は爆発的なパワーとなって皆主体的に動いてくれます。これは転職が多い米国で弊社の現地社員が長年辞めずに務めていてくれることにも関わっていると思います。グループの本社は東京ですが、世界中のオフィスのどこが上とか下とかいうことはなく全員が同じ目線で同じ目標を共有していますので、社員の誰にでもチャンスが与えられておりそれを認めてくれる。これが弊社が米国で長年ビジネスを広げられている一つの理由ではないでしょうか。

明るく開放感のあるロサンゼルスオフィス

これからの展望

会社としては医薬分野により注力をしております。医薬は治験などのプロセスが必要なため開発投資には10年単位の時間と資金力が必要になりますが、イタリアに持つ医薬原体並びに中間体の受託型製造メーカーのプロコス社の強みとグローバルネットワークを生かして、年々実績を上げてきております。米国でも東海岸で新規の大型プロジェクトがスタートしております。

二つ目はセキュリティーの変革です。この分野はハードからソフトへの移行が顕著でして、人工知能やディープラーニングを利用した無人化を我々の技術で本格的に実現していきたいと考えています。例えば各所に配置されているセキュリティーカメラの映像をこれまでは警備員が人の目で見て監視していましたが、人件費も発生しますし人間ですので見落とす部分が出てきますよね、それを正確性を上げながらコストを下げていくという技術革新を実現していきたいです。また次の段階としてサービス提供型の事業展開も検討しているところです。

最後はドローン事業。昨今娯楽用途でも多く使われていますが、産業用途でビジネスモデル化していけたらと思っています。日本製の品質の高いドローンで、人間の足では踏み入ることのできない場所、たとえば山火事の現場に飛行し消火活動を行ったり、アメリカの広大な農園での農薬散布に使用したりと可能性は無限にあると期待しています。

アメリカで働きたい方へのエール

価値観も変化しているので一概には言えない部分もありますが、最近の若い方は自分の若い時のころより留学や海外で働くことに熱を持っていないと聞きます。日本は資源が少なく輸出入で成り立っている国です。宗教や文化の全く異なる人々が混ざりあっている中で生活することは単一民族の島国・日本では感じることの少ない貴重な経験ですので、自分の血となり肉となると思います。若いうちは失敗できますしやり直しが効きますから、失敗を恐れずに習うより慣れろで挑戦して下さい。また、自分自身への投資もしてほしいですね。社会人になるとなかなかできなくなりますから。私自身も学生時代に留学させてもらったことが土台となり今の自分がいますので、サポートしてくれた両親には感謝しています。

CBC AMERICAS Corp.

■ ホームページ:http://www.cbcamerica.com/
■ 電話:(919) 230-8700
■ 住所:2000 Regency Parkway, Suite 600 Cary, NC 27518

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る