ハリウッドで活動開始!
プロボクサー 高野人母美さん

Text by Keiko Fukuda

PEOPLE SPECIAL
様々な業界で活躍中の話題の人に、過去、現在、そして未来について聞く。

Photo © Tomomi Takano

自分で決めたい

 アメリカ移住の理由は人それぞれで、準備にはそれなりの時間が必要だ。しかし、プロボクサー、高野人母美(ともみ)さんの渡米は思い立ってからがはやかった。

 「(2017年)11月に東京で知り合った方に、その方の息子さんがロサンゼルスでボクシングジムに所属していると聞き、アメリカでは日本と違って自分でトレーナーを雇うことができると知りました。自分もアメリカに行って挑戦してみよう、と思い、4日後にはロサンゼルスにやってきました。住むところもない、友達もいないという状況の中、つてを頼って現地のボクシングジムを訪ね、私の過去の試合のビデオや写真を見てもらいました。そして、フィリピン人のトレーナーについてもらえることになり、よし、やろうということになったのが11月末です」

 そして一旦日本に飛び、関係各所に挨拶や諸々の手続きを済ませてロサンゼルスに舞い戻った。「ある友達には、『場所を変えてもアメリカでうまくいくはずがない』と反対されました。確かに渡米を決める前の私は、何もかもうまくいかず、進むべき道がブロックされているように感じていました。でも、自分がこれから成功するかどうかを、自分以外の人間に決めてほしくなかった」と語る高野さん。自らの人生は自分で決めたいと、ロサンゼルスに拠点を移すことを決行した。

夢は世界チャンピオン

 「私の夢は世界チャンピオンになることです。その過程で、性格的に人より目立つことをやるのが好きなこともあって、計量時にはアバターのコスプレをするなどといったパフォーマンスに対して、私を批判する人もいます。 それでも、ウェブサイトのアクセスは100万アクセスを超えて、確実に皆さんには(私がやることを)見てもらっています。以前にドキュメンタリー番組の『情熱大陸』に出演した時も、私が頑張る姿を見て引きこもりの生活から外出する勇気が出た、という方をはじめ、たくさんの反響をいただきました。私が夢に向かって挑戦を続けることで、人の人生にも何か影響を与えることができればと思っています」

好奇心旺盛
体験したいタイプ

 取材したのは2018年1月半ばだった。ロサンゼルスに拠点を移して2カ月、好きな場所について聞くと、すぐに「ラニオンキャニオンです」と答えた。ハリウッドヒルズの山頂近くに広がる渓谷で、ロサンゼルス大平原が見渡せる場所だ。「トレーニングするのに絶好の場所。偶然見つけて自分の足で走ってみたら、ロサンゼルスにもこんなに自然に恵まれた場所があるんだって嬉しくなりました。私は何でも見ているだけじゃなくて、とにかく体験するタイプなんです」。できれば、数年後、日本からの観光客を連れて、ロサンゼルスの自然の中を一緒に走るツアーなども企画できれば嬉しいと話す。

 最後に、高野さんはフロントラインの読者にメッセージをくれた。「アメリカでの状況をいろいろ教えてください。とにかく情報が大事ですし、好奇心旺盛ですので、イベントなどにも気軽に声をかけて欲しいですね」。30歳という節目の年に、心機一転、新たな土地で新しいスタートを切った高野さん。モデルとしても華々しい活躍を見せてきた彼女には、「ボクサーとモデルの仕事のバランスは?」という質問を用意していたが、鍛え抜かれた身体とボクシングにかける熱い思いを前にして、その質問は意味をなくしてしまった。「世界チャンピオン」の夢を一途に追いかける本気さが伝わってきたからだ。その夢が叶う瞬間をぜひとも見せてほしい、と願ってやまない。

心機一転、ハリウッドで身体作りに励む高野さん
Photo © Keiko Fukuda

PROFILE
高野人母美(たかのともみ) 東京都出身。高校在学中にスカウトされモデルデビュー。さまざまなミスコンテストで入賞した後、2013年、プロボクサーデビューを果たす。2017年11月から拠点をハリウッドに移し、ボクサーとして世界チャンピオンを目指し奮闘中。
https://www.instagram.com/tomomitakano7/

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

福田恵子 (Keiko Fukuda)

福田恵子 (Keiko Fukuda)

ライタープロフィール

東京の情報出版社勤務を経て1992年渡米。同年より在米日本語雑誌の編集職を2003年まで務める。独立してフリーライターとなってからは、人物インタビュー、アメリカ事情を中心に日米の雑誌に寄稿。執筆業の他にもコーディネーション、翻訳、ローカライゼーション、市場調査、在米日系企業の広報のアウトソーシングなどを手掛けながら母親業にも奮闘中。モットーは入社式で女性取締役のスピーチにあった「ビジネスにマイペースは許されない」。慌ただしく東奔西走する日々を続け、気づけば業界経験30年。

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

デジタル版を読む

フロントライン最新号
ページ上部へ戻る