マネージャー in USA 〜共同作業型の日本人 vs 個人作業型のアメリカ人〜

アメリカで勤務されている読者の皆様のなかで、現在マネージャー職に就かれている方はどれほどいらっしゃるでしょうか。またその場合、部下は日本人が多いでしょうか、それとも現地の方でしょうか?

日系企業にお勤めの方は、わりと日本人の部下が多いという方もいらっしゃるかもしれませんね。一方で、米国現地企業や外資系企業で勤務される方は、日本人は自分のみという場合もあるかもしれません。いずれにせよ、アメリカで働いている限り、日米間でのワーキングスタイルの違いに戸惑うことが一度や二度はあるのではないでしょうか。そんななかで、どうマネジメントしていくのがベストなのでしょうか?

巷ではよく「日本人は共同作業を重視するが、アメリカ人は業務内容や担当に基づいての個人作業を重んじる傾向にある」といわれます。私はアメリカで勤務して早や17年目になりますが、確かに程度の違いはあれど、やはり日米のワーキングスタイルは違うなと感じます。

いわゆる「日本型」のアプローチですと、基本的に「上司も関わって一緒に構築していく」という流れになり、最終結果を出すためにともに試行錯誤しながら結果を出していくという形が主流です。一方で「アメリカ型」の流れでは、最終結果の期待値を上司が担当者に伝え、実際の作業は本人に任せ、結果報告を待つという形式が多く採用されています。

どちらもメリット・デメリットがあります。ここでの「日本型」ですと、上司と部下が一緒に作業を進めるので、上司は途中経過の状況もよく分かりますが、対応によっては「自分はマイクロ・マネジメントされている」「信頼されていない」「自分のやりたいようにできない」「やりがいがない」とネガティブに捉えてしまう部下もいるようです。

では「アメリカ型」がいいのかというと、こちらもケースバイケース。当人に業務を担当させ、最終結果を上司が確認する……というのが基本的な流れなのですが、一番初めにしっかりとアウトプットのあるべき姿を伝えないと、期待と違うものが提出されてびっくり、でももう訂正する時間がない……となってしまうこともあるようです。

私は想定外のサプライズは避けたい性格なので、どちらかというと前者の「日本型」アプローチを進めるタイプなのですが、実はこれが、思いのほかアメリカ人社員に歓迎されていないことを体験しました。

ある時、社内の組織変更にともない、私が新しい部署を担当することになりました。この部署のメンバーは皆アメリカ人。私は特に深く考えもせず、今まで通りの「日本型」アプローチを進めていこうという姿勢でいたのですが、親切な同僚が「あの部署は今までの上司がアメリカ人で、わりと自由にやらせてもらっていたので、これからYukoの下でマイクロ・マネジメントをされてしまうのでは……と皆、戦々恐々としているよ。考えながらやった方がいいよ」とアドバイスをくれました。

それを聞いてショックであるとともに、自分では気づかないうちに、日本的な業務遂行スタイルをアメリカ人社員に押し付ける傾向があったのかもしれない、と深く反省しました。

では、日本型のアプローチはまったく喜ばれないのかというと、実はそうでもないこともあります。「完全放置でなく、いつも気にしてもらえて嬉しい」「作業中にベストな進め方が分からない時、すぐに相談できるから助かる」というアメリカ人社員もいます。そのため、どちらのアプローチが正解だ、とは一概にいえません。

個々の性格や業務の進め方の傾向は皆それぞれ違うので、「この部署が一番輝けるには、どういうマネジメントスタイルが一番いいのか」を常に考えながら臨機応変に対応していきたいですね。

最後に、どちらにも共通して必要なのは、「いつも頑張ってくれてありがとう」という感謝の気持ちです。日本型・アメリカ型に限らず、一緒に頑張る仲間として、常に感謝の気持ちを持って接していきましょう。特に日本人は「阿吽の呼吸」に頼りがちで、感謝の気持ちを表現することが苦手な方が多いので、そこは積極的に社員に伝えていきたいですね!

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北村祐子 (Yuko Kitamura)

北村祐子 (Yuko Kitamura)

ライタープロフィール

在米20年。津田塾大学を卒業後に渡米し、ルイジアナ大学でMBAを取得後、テキサス州ダラスにある現在の会社で勤務すること17年目。ディレクターとして半導体関係の部品サプライチェーン業務に関わるかたわら、アメリカで働く日本人女性を応援しようと日々模索中。モットーは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」。

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