山にシティに魅力の宝庫
コロラドは、 美しい。

文&写真/齋藤春菜(Text and Photo by Haruna Saito)

雄大なロッキー山脈の麓に位置し、アウトドアの聖地として多くの人々を惹きつけるコロラド州。さらにはアートやショッピングを楽しめる都市や温泉地、素材にこだわったグルメなど、あらゆるエンターテインメントが集まる魅惑の地だ。近年はビジネス拠点や新たな生活の拠点としても注目を集めている、今もっとも気になるコロラドとは一体どんなところなのだろう――。

ロッキー・マウンテン国立公園にて

あれもこれも楽しめる
進化し続ける都市・デンバー

ロッキー山脈は、北米大陸を約3000マイルにわたり連なる山脈。その雄大な山々が縦断するコロラド州にはありのままの大地が広がり、人々は自然と共存することで豊かな資源を生み出してきた。

コロラドの州都デンバーは、観光地への玄関口。年間約300日は晴天というこの町には美術館やショップ、オーナーシェフのレストランがひしめき、ダウンタウンは活気に満ちている。デンバー観光局「Visit Denver」のスタッフたちは、「デンバーは常に進化し続ける、エキサイティングでサプライジングな町ですよ」と口を揃えて言う。確かに近年は19世紀頃の洋風建物をリノベーションして再利用した店なども増えており、歴史的な景観を保ちながらも急成長している注目の町だ。

その象徴となるのが、2014年にリニューアルオープンしたユニオン駅。石造りの大きな駅舎内には、デンバー発祥の人気レストランやブティック、バー、ホテルなどがあり、日々多くの人々で賑わっている。周辺には昔風情が感じられるレンガ造りの建物も多い。ダウンタウンには、ショッピングを楽しめる16番街モールやブルワリー、カフェなど見どころが多数あるのだが、なかでも必見なのがコンベンションセンターにある彫刻、ブルー・ベア。40フィートもの高さの青いクマがガラス張りの建物の中をのぞき込む姿はなんとも愛らしく、見る人々を癒してくれる。デンバーの町なかにはこのようなアート作品があちこちに設置されているので、探しながら歩くのも一興だ。しっかりとアートに浸りたいなら、美術館や博物館を訪れてみよう。アメリカ先住民のアート作品をはじめ、西洋から東洋までさまざまな年代の作品を展示する「デンバー美術館」や、今年の春にリニューアルオープンしたばかりの「カークランド美術館」など、ミュージアムが多数点在している。

また、最近注目を集めているのがRiNo(River North Art District)エリア。建物の壁がアート作品で覆われていたり、個性的なギャラリーや、一度は訪れてみたい高級レストランの料理をリーズナブルに味わえるフードコート「デンバー・セントラル・マーケット」があったり。数年前から開発が始まったこのエリアは、今も刻々と姿を変えている。

郊外にはコンサートやアウトドアを楽しめる野外劇場「レッド・ロックス」もあるなど、魅力がギュッと詰まったデンバー。ここに来れば、やりたいことを全部体験できること間違いなしだ。

自然の地形を活用し、ハイキングやヨガなどのアクティビティも、コンサートも楽しめる「レッド・ロックス」

お役立ち情報①
コロラドってどんなとこ?

アメリカの西部、ロッキー山脈のもっとも標高が高い地域に位置する。観光業をはじめ、農業や畜産業、航空宇宙産業などが発達。近年はベンチャー企業などからもビジネス拠点として注目されており、人口も増加傾向に。全体的に教育水準が高く、健康志向の市民は全米一多いといわれている。ウェブサイト「U.S. News & World Report」が毎年発表する「全米で住みやすい町ベスト25」では、デンバーがここ3年間連続で3位以内にランクイン。またコロラドスプリングスも2018年には2位にランクインし、暮らしの拠点としての人気も高まっている。

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