コロラドってどんなとこ?

文&写真/齋藤春菜(Text and Photo by Haruna Saito)

ロッキー・マウンテン国立公園の景色

アメリカの西部、ロッキー山脈のもっとも標高が高い地域に位置するコロラド州。雄大な自然に囲まれたこの地は、アウトドアアクティビティの聖地として人気が高い。州内を縦断するロッキー山脈は、その美しさから「コロラドロッキー」と呼ばれ、地元の人々に愛されている。その景観に魅了され、夏にもなれば州内外から多くの観光客が訪れる魅惑の地だ。

全米から注目が集まるコロラド

州都デンバーは高層ビルが立ち並びならがも、歴史的建築も多い美しいシティ

コロラド州では観光業をはじめ、農業や畜産業、航空宇宙産業などが発達している。州都デンバーの北西にある町・ボルダーに本拠を置くコロラド州立大学は理工系に強く、ノーベル賞の対象になるようなレベルの高い研究を実施。そのため、この辺りにはIBMをはじめとするハイテク企業が研究機関を構え、国の研究機関に勤める研究者も多い。近年はベンチャー企業などからもビジネス拠点として注目されており、人口も増加傾向にあるそうだ。

同州は全体的に教育水準が高く、さらに自然を愛する市民が多いことから、全米一健康志向の高い州とも言われている。アメリカのウェブサイト「U.S. News & World Report」が毎年発表する「全米で住みやすい町ベスト25」では、デンバーがここ3年間連続で3位以内にランクイン。またコロラドスプリングスも2018年には2位にランクインし、暮らしの拠点としての人気も高まっている。

年間を通して乾燥した気候

コロラド州は内陸に位置し、さらにロッキー山脈の麓という立地から、寒暖差が大きいのが特徴だ。夏は90℃ほどまで上がることもあるが、基本的に日中は快適な気候。ただし、朝晩は冷え込むので上着が必要だ。10月頃から気温はだいぶ下がり、冬は場所によっては−10℃前後まで下がることも。4月頃までは降雪も多いが、標高が6600フィート以上でなければ積もることは少ないのだそう。

デンバーは年間の晴天率が300日といわれている。穏やかな晴れの日が多く過ごしやすいが、標高が高いため日差しも強い。年間の平均湿度は38%と、東京の62%と比べて約半分。リップクリームや肌の保湿によるケアは必須だ。

季節によって気候がまったく異なるため、7〜8月にはワイルドフラワー、9〜10月には紅葉と、四季折々の景色を楽しめるのがコロラドの魅力。

健康志向なグルメシティ

豊かな自然に囲まれたコロラドは、食材も豊富だ。コロラドで育てられたビーフやポーク、ラムといった食肉から、地元の河川で獲れる魚類、そして青い空の下で栽培された新鮮な野菜や果物。これらすべてがコロラドで栽培されている。健康志向の人が多いため、市民の食に対する関心も高い。そんな市民のために、州内には健康的で洗練された料理が楽しめるレストランが多数点在しているので、グルメ通にはたまらない。

数年前から注目されているのが、「Farm to Table(農園からテーブルへ)」という食事のスタイル。レストランに直送された地元産の新鮮な野菜や肉をすぐに調理し、テーブルへ出すという料理の手法だ。採れたての食材や栄養価がとても高く、味によどみがないのでとてもおいしい。レストランによっては、その日に仕入れた生産農園や牧場を明記している所も多いようだ。

また、コロラドでぜひ味わっていただきたいのが、熟成ビーフ。大自然の中でのびのびと育った牛からとれたナチュラルビーフはじっくりと時間をかけて熟成させており、全米でも評価が高いという。日本に比べて価格も安いので、訪れた機会にぜひ食べていただきたい。アメリカの高級牛といえば、言わずと知れたアンガスビーフ。この高級牛を使ったステーキやハンバーガーもジューシーで味わい深い。

ほかにも、有名なオーナーシェフによる高級レストラン、州内に200種類以上もある地ビールなど、コロラドのグルメの魅力は尽きない。

鉄道好きにはたまらない、鉄タビの聖地

実はコロラド、アメリカでは珍しい観光鉄道が楽しめるエリアでもある。豊富な鉱物資源を運搬するために1870年頃に鉄道が開通して以来、州内には各地をつなぐ多くの鉄道が走り回っていた。そのほとんどが廃線となっているが、今でも観光列車として運行されている鉄道がいくつかあり、シーズン真っ盛りの夏には鉄道ファンで賑わう。

かつてジョージタウンの銀を運んだ列車、ジョージタウン・ループ鉄道は、山の急勾配をぐるぐると上がって行く力強い蒸気機関車。高さ30メートルの高架橋の走行は、この列車コースのハイライトだ。同じく蒸気機関車の旅を楽しめるのが、デュランゴとシルバートンをつなぐデュランゴ−シルバートン狭軌鉄道。130年以上という、アメリカでもっとも歴史深い鉄道だ。川に沿ってロッキーを走り抜けるその車窓からは絶景が楽しめる。

このほか、V字に深く切り込んだロイヤル渓谷をアーカンソー川に沿って走るロイヤルゴージ鉄道。アメリカの旅客鉄道アムトラックのなかでもNo.1の景勝ルート、デンバー〜ソルトレイク・シティ間の「ロッキーの山越え」を走るカリフォルニアゼファー号。そして、コロラドスプリングスにある標高4302メートルのパイクスピーク山を頂上まで上るアプト式登山鉄道、パイクスピーク・コグレイルウェイがある。ロイヤルゴージ鉄道はコロラド産の食材で作られたディナーや朝食、ランチなども提供されるなど、各鉄道にはそれぞれ魅力的な特徴がある。鉄道ファンはもちろん、誰でも乗れば一生の思い出になるような素敵な鉄道の旅を、経験してみてはいかが。

※今年はパイクスピーク・コグレイルウェイの運行は休止。

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齋藤春菜 (Haruna Saito)

齋藤春菜 (Haruna Saito)

ライタープロフィール

物流会社で営業職、出版社で旅行雑誌の編集職を経て渡米。思い立ったら国内外を問わずふらりと旅に出ては、その地の文化や人々、景色を写真に収めて歩く。世界遺産検定1級所持。

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