【ニューヨーク不動産最前線】
今注目のハドソンヤード

今は、物件の情報を調べようと思ったら簡単にインターネットで検索できます。賃貸でも売買でも希望のエリアや予算等を入力すれば、すぐに物件情報が出てきて写真や図面も見られますね。私たちブローカーのところには毎日、大量の物件リストが送られてきます。もちろん個別に欲しい情報だけを取ることもできるのですが、各ブローカーやデベロッパーが売りたい・貸したい物件や、新築物件の情報をどんどん送ってくるのです。そのなかで最近目立っている(というかついつい目がとまってしまう)のが、超高額物件のリストです。

新築が続々と建つハドソンヤード

至るところで新築のコンドミニアムを建築中ですが、中でも目立っているのが、今マンハッタンで一番注目のエリア、ハドソンヤードです。マンハッタンの西端、ハドソンリバー沿いの34丁目から10丁目まで、20ブロック以上にわたって2009年にハイラインという高架の公園がオープンしました。その後、このハイラインに沿ってどんどんオフィスビルや住宅ビルが建てられて、新たなコミュニティが作られました。このエリア一帯をハドソンヤードと呼んでいます。

これらの新築物件がとんでもなく高いのです。ハイラインの敷地はもとは鉄道の廃線だったところで、駐車場や鉄道の操車場、工場用地として使用されていた、いわば廃れた場所でした。それが今ではハドソンリバーと対岸のニュージャージーを横目に見ながら、緑の中を散歩できる憩いの場としてまったく新しく生まれ変わり、観光名所と化しています。素敵なエリアに素敵な物件を、というコンセプトはごく当たり前で、それ自体は自然な流れなのですが、とにかく物件が高すぎます。

住宅では88階建てのコンドミニアムをはじめ、大小さまざまな物件がマーケットに出てきていますが、驚くほどの高額物件ばかりです。88階建ての15 Hudson Yardsは、最安値の2ベッドルーム(1571SF)が3.725ミリオンで、最上階のペントハウス(3ベッドルーム、5161SF)はなんと32ミリオンドルとなっています。ちなみに、東京の新国立競技場のデザイン案でも話題になったザハ・ハイドがデザインした11階建てのコンドミニアムは、4ベッドルーム(4000SF~)が12~16ミリオンという値段です。

この新しいコミュニティに出現したビルは、どれもこれもこの世のものとは思えない現実離れした値段で、せっかく公園が完成しても、実際にここは人の住むエリアになるのかなと心配になってしまいます。そういえば値段のスケールは違いますが、バブルの頃日本では、チバリーヒルズという新興住宅地が作られましたね。二の舞にならないで欲しいです。

一方で既存の物件については値上げは止まり、販売のスピードも値段も低水準です。マーケットに出てからなかなかオファーが入りません。前述のように、新築物件は桁違いに値段が高く、既存物件のマーケットとは競合しません。しかし、マンハッタン区の一般住宅のマーケットもついにピークを越えた感があるなか、現実離れした物件がマーケットに出回っているのはとても違和感があります。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japan(現)に入社。東京で外資系企業のオフィス移転担当ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務に。1999年より住友不動産販売NYで住宅ブローカーとして活躍。趣味は旅行とトレッキング。

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