国土安全保障省、オバマ政権による国際起業家に関する規則の取りやめを提案

文/デビッド・シンデル(Text by David Sindell)

国土安全保障省は、米国の人道的また公的な利益を踏まえ、米国入国を最終的に許可できる裁量権を持っています。2016年のオバマ政権の最終月、国土安全保障省は卓越した企業家を導入する目的で、臨時入国許可または一時入国に関する規則を改正しました。その企業家たちによって経済成長と革新を促進する公的な利益を生み出すことがこの規則改正の狙いで、International Entrepreneurship Rule(国際起業家に関する規則)という名で知られるようになりました。

外国国籍者がこの規則で米国に入国する際に必要となる条件は、以下の通りです。

少なくとも企業の10%の所有株式を保持していることが最低条件で、加えて
・“資格を満たす”投資家からの少なくとも25万ドルの資金を有する、または
・“資格を満たす”政府からの少なくとも10万ドルの賞金や助成金を有する(州および連邦の賞金や助成金も受け入れられています)

2017年7月、トランプ政権下、国土安全保障省は国際起業家に関する規則の実施を2018年の3月に遅らせるという声明を掲げました。一方で、2017年12月には、連邦裁判所がこの遅延を無効としたうえ、米国移民局は国際起業家の入国を許可する申請の受け付けを開始しました。

そのようななか、2018年5月25日、国土安全保障省は国際起業家に関する規則を終了すると提案。規則の内容自体が広範囲にわたり、米国人労働者や米国人投資家による支援の妨げとなるうえ、そもそも国際起業家を招き入れる手段には不適切であるということが理由として挙げられています。

なお、国土安全保障省は2018年6月28日付またはそれ以前に受信した、国際起業家に関する規則を終了するという提案に対する論評を受け入れてはいるようです。

このような状況もあり、多くの外国人米国入国希望者は米国入国の手段として、変動的で不安定な国際起業家に関する規則を利用するより、投資家ビザのE-2ビザや投資家永住権のEB-5ビザ(米国移民局が指定する地域内のプロジェクトに投資をすることで、永住権を最短約2年で取得できる可能のある申請。そのほか、さまざまな条件あり)による申請に、より期待を寄せています。

E-2投資家ビザは、米国でのビジネスにおいて相当額の米国外からの資本の投入が必要となり、定期的なビザの更新が必要です。EB-5ビザの永住権保持者は、米国での事業において少なくとも10名の米国人労働者を雇い、候補者には少なくとも百万ドル(場合によっては50万ドル)の投資をすること等が、必要条件となっています。

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デビッド・シンデル (David Sindell)

デビッド・シンデル (David Sindell)

ライタープロフィール

NY州およびNJ州弁護士資格。外国法事務弁護士(外弁)として東京第2弁護士会所属。アメリカ移民法弁護士協会所属。日本語、フランス語に堪能。

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