雇用者、労働者が知っておきたい
アメリカの雇用ルール

取材協力:吉田 大(ブラックベルト・リーガル弁護士法人 代表弁護士)

雇用期間中
人事異動、昇進・昇格
能力、適正による公正な判断であることをきちんと説明できなければ、差別によって異動させられた、または昇進・昇格できなかったと訴えられる可能性があるので、注意が必要。

 

就業規則
雇用主側だけでなく、従業員も規則を守らなければ解雇される可能性がある。たとえば、法規上必要な休憩時間をとらずに就業を続けることは、多くの場合就業規則違反のみならず、労働法規違反となる。雇用主は会社としてのリスク管理のため注意を促し、改善されなかった場合は解雇を含めた法的処置を取ることがリスクの低減につながる。

SNS
今もっともトラブルになりやすいのがこれ。部下とSNSでつながっている場合、必要以上に干渉すると、ハラスメントやプライバシー違反とみなされかねない。SNSで見た情報を理由に解雇や減給をするといった行為もリスクが高い。たとえば、競合他社の人がSNSにアップした「うちの製品の方が優れている」といった内容の記事に、部下が「いいね」を押していたという理由だけで減給するのはプライバシーの侵害と主張されかねない。

1番いいのは、会社のつながりで安易にSNSなどで友達申請をしないこと。訴訟になった際に、なぜプライベートを知っているのか、SNSをどのくらいの頻度で見ていたのか、解雇の判断にSNSの内容が関わっていないと言い切れるのか、と問い詰められることがある。無意識のうちにSNSが落とし穴になることもあるので、必要以上のつながりは避けよう。

※本企画の内容は、一般的な情報の提供のみを目的とするものであり、法的助言を目的としたものではありません。 雇用に関する法律は州や市、郡により異なりますので、法的行動を起こす際には、必ず専門の弁護士にご確認・ご相談ください。

巷で話題のセクハラに注意

セクシャルハラスメントとは、性的な言動や行動で相手に不快な思いをさせることを意味する。アメリカでセクシャルハラスメントは性差別の一部であり、違法という明確なスタンスがある。日本では見過ごされるようなことでも、アメリカでは訴訟に発展する可能性が高い。

歓迎されない性的なアプローチ、要求、口頭および物理的な行動などが、相手の雇用状態や業務を遂行する能力に著しく影響を与えた場合、セクハラに該当する。また仕事の概念上、必要な業務連絡かどうかも判断基準となる。被害者は女性に限らず、最近では約20%が男性からの訴えだそう。

セクハラはボーダーラインがはっきりしていないので、相手を不快にさせる可能性がある言動や行動は取らないことが重要となる。

取材協力
吉田 大(ブラックベルト・リーガル弁護士法人 代表弁護士)

ウェブサイト:www.blackbeltlegal.com
Email:client@blackbeltlegal.com
1 2

3

4

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

関連記事

デジタル版を読む

フロントライン最新号
ページ上部へ戻る