Shinano Kenshi Corporation
アメリカのビジネスは、今

今、アメリカのビジネスシーンはどうなっているのだろう?
困難をどう乗り越えたのか。成功の鍵はどこにあるのか。
キーパーソンに、アメリカでのビジネスのヒントを聞いた。


カリフォルニア州カルバーシティのオフィスを構えるShinano Kenshi CorporationのMayumi Dabbayさんに話を聞いた。

アメリカでの事業

シナノケンシ株式会社は長野県に本社を構えるモーター・精密機器メーカーで、2018年に創業100周年を迎えた歴史のある企業です。Shinano Kenshi Corporationはその米国法人として1982年ノースハリウッドに米国法人を設立したのが始まりで、現在はカリフォルニア州カルバーシティに本社を構え活動しており、車産業の中心地であるミシガン州にもオートモーティブ関連の事業を担うデトロイトオフィスを設けています。車関連ではシートを温めるために空気を送る車用のモーターなどを販売しており、アメリカで運転されている車の10台に1台には弊社の製品が使用されています。また医療関係や、空気調整機器などにも力を入れております。

4ピストンコンプレッサー

特徴的なビジネススタイル

多くの日系企業は駐在員の方が管理職に就くと思うのですが、弊社はCEOをはじめローカルの人員が全ての管理職を担っております。現地法人は現地社員に任せようという本社から信頼を感じますし、現地社員と駐在員が同じ目線で仕事ができるのでスタッフ間の壁が少ないですね。

実は弊社では、日本人同士でも英語を使用しないといけません。アメリカの日系企業では珍しいと思いますが、日本語を話さない現地の人からすると何を話しているのか気になりますし、スペイン語が出来ない私からするとスペイン語で話していると気になりますよね。ジャパニーズイングリッシュだとしても、使えば使うほど勉強になりますし、現地社員にも「頑張って話そうとしてくれている」という気持ちが伝わるので、さらに関係性が良くなります。会話で上手く伝わらなかったとしても後で正確な情報を送ればいいので「後でEmailで送るね」と伝えるだけでも問題ないわけです。駐在でいらした方々は英語以外にコミュニケーション方法がないので苦労されていますが、英語力が格段に伸びて帰国されますね。

全員が同じ言語でコミュニケーションを取ることで、社員間の壁がないだけではなくて、皆が同じで目線で仕事ができるので弊社のチームワークは非常に強いと思います。ちなみにデトロイトオフィスは現地社員より駐在員の方が多いのにもかかわらず更に厳しく、日本語を話したら罰金です(笑)それほど徹底してアメリカで働いている全ての社員を一つのチームとして平等に扱ってくれるので、我々現地社員もモチベーションが高く仕事ができます。

日々の仕事内容

私自身は入社以来インサイドセールスを担当し、現在は日本の工場と現場との調整をメインで担当するプロダクトマネージャーの役職に就いています。

新規事業の際はいかにスムーズに工場側との調整を進めるかがポイントとなります。インサイドセールスの役職の時はアメリカ側の顧客の要望を伝えることが役割でしたが、現ポジションでは工場側からの相談にも乗る立場となり、どちらの状況も理解できるがゆえに難しい役職です。そんな時に思い出すのが、前任者の方が教えてくださった「NOをいかにYESに変えることができるかがプロダクトマネージャーの仕事」という言葉。できないことを工場にお願いするのではなく、なぜできないのか、何ができるのかを明確にすることで、それを解決するためにアメリカ側で何がサポートできるのかを考え、NOをYESに変えることのできるようリードしていくことが大切だと思っています。また、最終のゴールに辿り着くため「お互いが同じものを目指している」という共通の部分を再確認することも心がけています。

私は駐在員ではなくアメリカの現地社員ですが、こうした重要な役割をローカルスタッフに任せてくれるのもシナノならではのビジネススタイルですね。

2018年12月にラスベガスで開催された AARC (American Association for Respiratory Care) での一枚

日米のビジネスの違い

1つ目はスピードの違い。何かを決断する時に、アメリカはリーダーの一声で決まることが多いですが、日本は決定までに時間がかかります。しかし、期日を確実に守ろうとしてくれるのでNOとなる場合が多く、無責任にYESとは言えないという、日本ならではの理由もここにはあると思います。

2つ目は、社内でのコミュニケーション。アメリカでは月曜日に決まり文句のように「How was your weekend?」と週末何して過ごしたかを聞きます。これは同僚間だけでなく、社長や上司に対しても同じです。日本では仲の良い同僚とはこうした会話をしても、上司や社長に気軽に「週末どうでした?」と毎週聞くことは多くないと思いますが、仕事以外のことも話題のひとつにすることで距離が縮まりますし、より良い関係性が作られていくのだと思います。

今後の展望

現在新事業を積極的に進めています。今後はモーター会社だけではないシナノを知っていただきたいと思っています。まだお話出来ない部分も多いのですが、100周年を迎えた今、次の世代につながる新しい事業を拡大していけるよう、持ち味のチームワークで邁進していきたいです。

Shinano Kenshi Corporation

■ホームページ:https://shinano.com/
■住所:6065 Bristol Parkway, Culver City, California 90230 U.S.A.
■電話:310-693-7600

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

デジタル版を読む

フロントライン最新号
ページ上部へ戻る