「いただきます」と「ごちそうさま」を英語にすると…

日本では食前に「いただきます」、食後は「ご馳走さま」と言うのがお決まりであり、またマナーでもあるかと思いますが、アメリカはどうなのでしょうか?実は無言で食べ始め、何も言わず食べ終えることも珍しくなく、実際に「いただきます」や「ご馳走さま」の直訳はありません。しかし、それらの代わりになるフレーズがいくつかあるのでご紹介します。


「いただきます」の代わりになるフレーズ

アメリカでは仲の良い友達や家族同士で食事をする場合、食べ物がでてきたら何も言わずに食べ始めることはごく一般的です。但し、全員の食事が揃ってから食べるのが基本マナーとなり、特にお客様や面識がないグループと食事をする時は、全員の食事が出てきたら「食べましょう」の合図で食べはじめます。しかし決まったルールは特にないので言う言わないは人や雰囲気によりけりです。

1) Let’s eat!
→「食べましょう!」

食べる直前に言う最も一般的なフレーズです。「Let’s eat」の前に「I’m starving(お腹空いた)」や「It/That looks delicious(美味しそう)」、「Did everyone get their food?(みんなの食べ物は揃いましたか?)」のような表現を付け加えると、より自然な感じになります。

・Let’s eat!(食べましょう!)
・I’m starving. Let’s eat.(お腹空いた。食べましょう!)
・That looks delicious. Let’s eat.(美味しそうですね。食べましょう!)
・Did everyone get their food? OK, let’s eat!(みんなの食べ物は揃いましたか?それでは、食べましょう!)

2) Dig in
→「召し上がれ」

「Dig in」は元々「掘る」や「突っ込む」を意味しますが、食事シーンで使うと「食べる」の意味になります。ただし、とても口語的でカジュアルな表現なので、フォーマルな場面で使うのはなるべく避けましょう。

✔︎「Dig in」の前に「Let’s」を加えると「食べましょう」になる。

・The food is ready. Dig in.(ご飯ができましたよ。召し上がれ。)
・Let’s dig in.(食べましょう!)
・Let’s dig in before it gets cold.(冷める前に食べましょう!)

「ごちそうさま」の代わりになるフレーズ

「いただきます」と同様に「ごちそうさま」に相当する英語表現はないのですが、食べ終わったら「美味しかった」と料理を褒めたり、「お腹いっぱいだ」と満足した気持ちを伝えることがアメリカでは一般的です。

1) That was delicious
→「美味しかった」

食べた料理が美味しかったと素直に伝える代表的な表現の一つです。しかし、料理は必ず美味しいとは限りません。(笑)もし「まぁまぁ美味しかった」と言いたい場合は、「That was pretty good」や「That was OK」などと表現し、「まずかった・・・」場合は「That was awful」や「That was gross」などと言います。ただ、料理を作った人に対し「まずかった」とは普通は言わないので、「ごちそうさま」の代わりのフレーズにはなりませんね。

✔︎その他、「That was good/great/excellent」や「That was tasty」なども「美味しかった」を表すフレーズとしてよく使われます。

・That was delicious!(美味しかった!)
・That was pretty good. The pasta was a bit bland.(まぁまぁ美味しかったね。パスタの味は薄かったけど。)
・That was awful. I’m never coming back.(まずかった。絶対にもう来ない。)

2) I’m done
→「もう食べれません・食べ終わりました」

「I’m done」は「I’m done eating」の省略です。満腹で「もう食べれない」や、単に「食べ終わりました」の両方を意味します。レストランの店員にお皿をさげていいか尋ねられた時は「I’m done(食べ終わりました)」と返事をするが一般的です。

✔︎その他、「I’m full」や「I’m stuffed」なども「お腹がいっぱいです」を表すフレーズとしてよく使われます。

・I’m done. That was a lot of food.(もう食べれません。凄い量でした。)
・I’m stuffed. I can’t eat anymore.(お腹いっぱいです。もう食べれません。)

3) May I be excused / Can I leave the table?
→「行ってもいいですか・席を離れてもいいですか」

日本では、「ごちそうさまを言うまでテーブルから離れてはいけない」と子供にマナーを教えている家庭は多いと思いますが、アメリカでは食後のマナーとして、子供が食事を済ませ席を離れる際、「May I leave the table? (テーブルから離れていい?)」と聞き、大人の返答を待ちます。

また、May I be excusedは「(ここから)失礼していいですか?」と言う意味で、どちらも同じように使えますが、よりフォーマルな響きがあります。

〜会話例1〜
A: Mommy, I finished eating, can I leave the table?(ママ、ご飯食べ終わったよ。テーブルから離れていい?)
B: Yes you may. Please also clear the dishes.(いいわよ。食器も片づけてね。)

〜会話例2〜
A: May I be excused?(行ってもいい?)
B: No, please wait until everyone is finished eating.(ダメよ。みんなが食べ終わるまでそこで待ってね。)

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Jun Senesac

Jun Senesac

ライタープロフィール

ロサンゼルス出身の日米ハーフ。両親が運営するL.A.の英会話学校「BYB English Center」にて、高校生の頃から英語講師としてのキャリアをスタート。カリフォルニア州にあるUC Santa Barbara大学へ入学し、1年間一橋大学へ交換留学。卒業後、国際交流員として石川県内灘町役場で2年間の勤務を経て、2011年にアメリカへ帰国しBYB姉妹校をアーバインに開校。
2013年に英語学習サイト「Hapa英会話」を設立。2014年の2月よりHapa英会話のPodcastをスタートし、月間およそ40万ダウンロードされるまで成長。iTunes Japanが発表した『Best of 2014/2015』に2年連続選出。YouTubeにて登録者5万人を超える英会話チャンネル「Hapa英会話」を配信。
YouTubeやPodcast、ブログやメルマガなど様々な媒体を通じて、日米文化を取り入れた英語の学習環境を提供。
YouTube: https://www.youtube.com/hapaeikaiwa

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