健康な体を手に入れる
快適習慣始めよう

モノが溢れかえっている現代、私たちはさまざまなストレスを抱えている。それが原因で生活習慣が乱れ、体が不調となる人も多い。そこで、不調の原因と体の仕組みの関係や、生活リズムを整えて健康な体を維持するために今日からできる「快適習慣」を、専門家によるアドバイスのもと紹介する。

自律神経の乱れが引き起こす
体の不調

体の不調を引き起こす原因は、「自律神経の乱れ」によるものが多いとされている。私たちの体全身に分布する神経には、手足を動かすなど自分の意思でコントロールできる体性神経と、内臓器官の機能といった自分の意思でコントロールできない自律神経がある。この自律神経は、心臓や肺、胃腸、肝臓、血管など、内臓器官の働きを調節する重要な神経だ。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り立っている。交感神経は、目が覚めている昼間の時間帯に活発になる。脳の機能が高ぶり、心拍数が上がって瞳孔が開き、筋肉が収縮するなど、活動的な状態の時に働く神経だ。一方、副交感神経は休息時に活発化する。脳の血管が膨張して血流を良くしたり、胃腸を整えたりなど、体をリラックスさせてリペアする働きを持っている。この、いわゆるオンとオフのスイッチが自動的に切り替わることで、私たちは心と体のバランスを保って健康な状態を維持できるようになっている。

しかし、最近はこのスイッチが壊れている人が多い。自律神経のバランスが乱れることによって、常に神経が高まった状態や、夜になってもリラックスできない状態が起こる。こうして生活リズムが崩れ、結果的に体に不調をきたしてしまうのだ。

自律神経の乱れによる体の不調には、実にさまざまな症状がある。これらの症状は血液検査を受けても原因が特定できず、病気とは診断されないため、精神的なものを理由とする「うつ」と診断されたり、自律神経失調症や未病などと呼ばれたりすることが多い。

人によって免疫力の度合いが異なるように、自律神経が崩れる要因にも体質、性格、考え方によって個人差がある。自律神経の乱れの要因がどこに潜んでいるのか、どんな症状が現れるかは一概には言えないが、主な例として次ページのようなものがある。これらのストレス源を体から除去しないと、正常な自律神経機能の働きに戻すのは難しい。

症状(一例)
朝起きられない、だるい、疲労、頭がすっきりしない、眠れない、節々が痛い、人と話せない、家を出られない、髪の毛が抜けてきた、消化ができない、便秘、足がつる、耳鳴り、動悸、イライラ など

考えられる原因
精神的な原因
人間関係、仕事のプレッシャー、緊張、挫折、過労などからくるストレス

肉体的な原因
体に良くない食品(加工品、防腐剤)、コンピューターや携帯電話、電信柱などから出る電磁波、空気中に漂う化学薬品(スモッグ、フリーウェイでのタイヤのゴム・カス、大気汚染)、気圧の変化、重金属 など

自律神経チェックリスト
いくつ当てはまるか確認して、自律神経の状態をチェックしよう。


□耳鳴り、めまい、頭痛が増えた
□やる気が出ない。なんとなく無気力
□睡眠時に変な夢をよく見る
□動悸を感じる、または胸がザワザワする
□眠れない。寝てもすぐに目が覚める
□夏でも手足が冷える
□胃腸の調子が悪い。下痢、便秘ぎみ
□首や肩の凝り、腰痛が治らない
□食欲が急に増えたり減ったりする
□手足や顔など、体の一部だけ汗をかくことが増えた
□朝起きると心身が疲れている
□季節の変わり目に体調が悪くなる
□体温や血圧、心拍数の変化が激しい
□やけにまぶしく感じる時がある
□視野が暗くなったり狭くなったりする
□風邪でもないのに喉の調子が悪く、咳がよく出る
□電話したり、人と接したりすると疲れる
□肌荒れやささくれがよくできる
□思った言葉が出ない、どもってしまうことが増えた
□日中、眠い

チェックの数が
2つ以下 正常な状態
3〜5つ  自律神経に負担がかかりぎみ。この状態が2週間以上続くと危険
6〜8つ  自律神経が乱れている可能性がある。早めに対策を
9つ以上 自律神経がかなり乱れている。休養をとって専門家に相談しよう

※体の異変は人それぞれであり、上記は一般的な代表事例です。

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