ANAがLanzaTech社とバイオジェット燃料について合意

ANAはシカゴに本社を置くLanzaTech, Inc.と、同社技術により2021年以降に米国で製造・供給を予定している、エタノールを原料としたバイオジェット燃料の購入について合意した。

LanzaTechは、製鉄所や製油所などの排ガスからエタノールを製造する世界唯一のガス発酵技術を開発した。同技術を活用してすでに商業プラントの稼働も行っており、エタノールの安定的な供給が可能となっている。さらに、革新的な触媒を利用してエタノールからバイオジェット燃料を生成する技術も確立しており、国際標準機関の認定を受けている。これらの技術は今後、排ガスから環境貢献価値の高いバイオジェット燃料を安定して製造し、継続的な商業利用を可能とするものであり、同社は将来性を高く評価されている。

ANAはLanzaTechに戦略的出資を行う三井物産株式会社と、LanzaTechが保有する革新的な技術を活用したバイオジェット燃料の製造事業を共同開発することについて、2018年に覚書を締結し、協業を推進している。今年秋には、LanzaTechがテストプラントで製造した排ガスを燃料とするバイオジェット燃料を使用し、日本への新造機のデリバリーフライトを三井物産と共同で実施する予定だ。

ANAはこれまで、2012年のボーイング787型機の日本へのデリバリーフライトならびに、2019年にはサンフランシスコ発の営業便において、バイオジェット燃料を活用している。今後も国内外でのバイオジェット燃料の定常的な利用を目指し、CO2削減をはじめとした環境問題の解決に積極的に取り組んでいく。

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