バングラ中銀事件は氷山の一角 〜 SWIFT、金融機関に警告

 ニューヨーク地区連銀のバングラデシュ中央銀行口座から8100万ドルが盗まれたサイバー犯罪の捜査が進む中、国際的な銀行間決済情報ネットワークを運営する国際銀行間通信協会(SWIFT)は、ハッカーがSWIFTのシステムを使って虚偽のメッセージを送った例が他にも数件あったことを明らかにした。

 ロイター通信によると、SWIFTは3000の金融機関が出資する協同組合で、銀行間決済で使われる通信サービスを提供しており、約1万1000の金融機関がサービスを利用している。SWIFTは今回、「悪意のある関係者か外部からの侵入者が、SWIFTのネットワークに接続された金融機関のバックオフィスやパソコン、またはワークステーションからSWIFTのメッセージをネットワークに送った例が複数あった」という極秘の警告を金融機関に発信した。

 バングラ中銀に対する攻撃が単一の問題ではなく、SWIFTの国際メッセージング・プラットフォームを狙った一連の犯罪の一部であったことが、初めて明らかになったことになる。

 英防衛大手BAEシステムズのセキュリティ専門家によると、バングラ中銀の事件でハッカーは、銀行がSWIFTのメッセージ・プラットフォームに接続するために使う「アライアンス・アクセス」サーバー・ソフトを不正ソフトで操作し、不正送金の証拠隠滅を図ったと見られる。SWIFTは今回このソフトのセキュリティ・アップデートも発表した。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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