ロボット関連の投資増える 〜 物流業界、影響力を重視

 商品や材料の供給を支えるサプライチェーン業界で、ロボット関連支出が増えている。ロボットが将来、業界に大きな影響を与えるとの見方が広がっているようだ。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、米国の物流業界団体MHIとコンサルティング大手デロイトがサプライチェーンの専門家900人を対象に行った年次調査の結果、「ロボットやオートメーションが競争力の優位性に影響を与える」と考える人が51%に上り、前年の39%から大幅に増加した。

 オートメーション技術は、中国の製造ラインから米国の配送センターに至るまで供給チェーンを大きく変えつつあり、業界ではできるだけ低いコストで迅速にシステムを機能させようとする動きが強まっている。オンライン小売り大手アマゾンの場合、新しい発送センターはロボット機能を織り込んだ設計になっており、既存のセンターの調整に苦労しているウォルマートやターゲットのような同業より注文の対応コストや時間を減らしている。

 MHI/デロイト調査では、約35%が「すでに供給チェーンにロボットを導入している」と答え、この割合は向こう6〜10年で74%に増加すると予想されている。回答者の大半は2年以内に新しいテクノロジーに100万ドル以上を投資する予定で、12%は1000万ドル以上、3%は1億ドル以上を投じると見込んでいる。

 一方、輸送ソフト会社フレイトス(Freightos)が貨物取扱業者(フォワーダー)の幹部を対象に実施した別の調査でも、68%が「倉庫へのロボット導入は業界に大きな影響を与える」と予想した。これに対し、3Dプリンターが大きな影響を与えると考える人は49%で、ドローンや自動運転トラックは32%、AR(拡張現実)機能は8%にとどまった。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る