シリコン・バレー、トランプ氏と一線画す 〜共和党支持者でさえ寄付せず

 米国の議会選挙や大統領選挙で大きな影響力を持つ米技術業界は現在、米大統領選挙の共和党候補であるドナルド・トランプ氏と一線を画している。
 
 大統領選の党候補者指名争いでは、各候補者がシリコン・バレーで講演や資金集めパーティーを積極的に開催した。米技術業界企業の幹部らの大半は、民主党または民主党寄りだが、政府の介入を嫌うリバタリアニズムの信奉者も多いことから、共和党が標榜する「小さな政府」の理念に共鳴する企業幹部もいる。
 
 ところが、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、今回の選挙戦においては、共和党寄りの技術業界幹部の多くが大統領選より連邦議会選挙の候補者らに寄付しているほか、民主党のヒラリー・クリントン候補の支持に回る重鎮らもいる。
 
 たとえば、ペイパル創業者のピーター・ティール氏は、オハイオ州クリーブランドで7月に開かれた共和党全国大会でも演説したほどの共和党支持者だが、現時点では、トランプ候補に寄付することや同氏のための資金集めを計画していない。
 
 トランプ氏に対する技術業界幹部らの不満は、トランプ陣営が選挙運動中に同業界を軽視していることにとどまらない。経済における技術業界の役割にトランプ氏が言及するのはまれで、しかも、同業界の利益と密接な貿易や移民問題でも過激な発言を繰り返している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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