マイクロソフト、リンクトイン買収手続きを完了 〜セールスフォースに勝った闘いが背景に

 マイクロソフト(Microsoft)は、企業人向けソーシャル・ネットワーキング・サービス大手のリンクトイン(LinkedIn)の買収手続きを完了したことを8日に明らかにした。買収額はマイクロソフトにとって過去最高の262億ドル。
 
 フォーブス誌によると、同買収をめぐっては、セールスフォース(Salesforce)との買収合戦をマイクロソフトが制したことがカギになったと指摘される。
 
 セールスフォースは、マイクロソフトがリンクトインを吸収すれば、顧客関係管理(CRM)ソフトウェア市場においてマイクロソフトが強大になりすぎる、と欧州連合の欧州委に訴えた。
 
 しかし、欧州委はその主張に同調せず、マイクロソフトによるリンクトイン買収を条件つきで承認した。
 
 リンクトイン買収合戦の実態は、マイクロソフトとセールスフォースによるリンクトイン利用者データの争奪戦だった。リンクトインは企業人向けのソーシャル・メディアであることから、その利用者データは、CRMソフトウェア市場での競争を優位に進められる有益情報資産とみなされていた。
 
 セールスフォースは、マイクロソフトがその利用者データを獲得すれば不当競争につながると訴えたが、マイクロソフトは、CRM市場において低価格を模索する公正競争の姿勢に変わりはないと強調するとともに、市場最大手としてセールスフォースこそがもっとも高い料金をつけている事実を指摘し、セールスフォースの言い分を退けた、といういきさつがある。
 
 【http://www.forbes.com/sites/jasonbloomberg/2016/12/11/microsoft-outmaneuvers-salesforce-for-linkedins-data/#14a3241961a4】(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る