二酸化炭素を材料や燃料として再生利用 〜地球温暖化対策の新たな可能性

 地球温暖化の主因として排出量削減が叫ばれる二酸化炭素は、日常生活に欠かせない素材や燃料、製品の潜在的構成要素の一つとしても注目されている。
 
 グリーンビズ誌によると、たとえば食品業界には、人工着色料を自然の物質で代替しようとする動きがあり、青色を出す素材として有望視される藻の一種のスピルリナは複数の企業によって二酸化炭素から作られている。
 
 米自動車大手のフォード(Ford)は、二酸化炭素由来の発泡体とプラスチックを車用座席と内装に使う計画を2016年に発表した。
 
 こういった二酸化炭素の再生利用は規模がまだ小さく、地球温暖化対策の一つとしては認識されていない。しかし、歴史を振り返れば、それがまったくあり得ない話ではない。
 
 まず、原材料はもともと代替可能物であり、高性能で費用対効果も高い代替物が次々と生まれている。アルミニウムはその一つで、いまでは電化製品から建築現場、消費者製品にいたるさまざまの製品に使われている。
 
 さらに、技術転換の進歩は産業界全体を変える可能性もある。コダック(Kodak)は1975年に初のデジタル・カメラを発明したが、フィルム事業への影響を懸念して、その後の開発を続けなかった。しかし、デジタル・カメラの売上高は2000年までにフィルムを超え、コダックは2012年に経営破たんした。
 
 ある専門家は、向こう20年以内に炭素排出量の25%が再生利用されるとみている。それが実現すれば、地球温暖化対策としての二酸化炭素再生利用は、専門家がこんにち予想する以上の影響力を持つことになる。
 
 【https://www.greenbiz.com/article/youll-never-guess-how-co2-can-save-us】(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  2. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  3. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  5. 私たちは習慣や文化の違いから思わぬトラブルに巻き込まれることがあり、当事務所も多種多様なお...
  6. カナダの大西洋側、ニューファンドランド島の北端に位置するランス·オー·メドー国定史跡は、ヴァイキン...
  7. 2023年12月8日

    アドベンチャー
    山の中の野花 今、私たちは歴史上経験したことのないチャレンジに遭遇している。一つは地球温暖化...
  8. 2023年12月6日

    再度、留学のススメ
    名古屋駅でホストファミリーと涙の別れ(写真提供:名古屋市) 以前に、たとえ短期であっても海外...
ページ上部へ戻る