「国境調整」支持は25社超〜GEやボーイング

 ゼネラル・エレクトリック(GE)やボーイングなど国内企業25社以上が、下院共和党が提示している法人税の「国境調整」案を支援する団体「アメリカン・メイド・コアリション」を設立した。
 
 ロイター通信によると、2日に設立されたこの団体には、化学大手ダウ・ケミカル、製薬大手のイーライ・リリーやファイザー、IT大手オラクルなどが加盟しており、輸入か輸出かで法人税を調整する同案は米国の雇用や生産を支援すると主張している。団体は、現行のシステムは外国製品の輸入を不当に支援していると見ており、「今の税制は古く不公平で、米国の労働者や企業は不公平な条件下で外国のライバルと競合している」と指摘する。
 
 下院共和党の国境調整案は、法人税率を現行の35%から20%に引き下げ、輸出による売り上げは課税対象から外し、すべての輸入品に20%を課税するという内容。トランプ大統領は同案に関する立場を明確にしておらず、連邦議会でも上院共和党には米消費者やビジネスにとって過度な値上げにつながるのではないかと懸念する声がある。
 
 国内企業の間でも賛否は分かれており、輸出の比重が高い企業や国内のみで事業展開する企業には有利だが、ターゲットやベストバイといった小売り大手など輸入に依存する企業は負担の方が大きいと見て強く反対している。製油業者、トヨタなど外国の自動車メーカーも、阻止するためのロビー活動を展開している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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