商品をオンライン購入する消費者の増加を受け、宅配業界の雇用が3カ月連続で増加している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、労働統計局が発表した6月の雇用統計のうち、宅配業界の就業者数は前月から4200人増え66万6500人となり、商戦期で臨時雇用が増えた2016年12月以降では最多となった。
一方、トラック運送会社や鉄道会社の6月の就業者数は合わせて2200人減少し、2カ月連続で落ち込んだ。輸送会社は長引く貨物市場の低迷に苦しんでおり、まだ輸送の需給バランスが取れていない。しかし、トラックストップ・コムのエコノミストは「供給過剰は解消されつつあり、トラック業界も近く雇用を拡張する」と見ている。
6月の全米の就業者数は、医療、金融、食品などを中心にサービス部門が16万2000人増加したことなどを受け堅調に伸びた。建設業界も専門業者などを中心に1万6000人増加した。ただし商品生産分野は2万5000人の増加にとどまり、このうち製造業はわずか1000人の増加だった。
市場調査SJコンサルティング・グループのサティッシュ・ジンデル社長によると、宅配の最後の部分いわゆる「ラストマイル・デリバリー」に力を入れる業者が、オンライン事業はさらに伸びると見て人員を増やしている。また、6月にユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が「多忙な年末商戦期は小売店の商品配送に追加手数料をチャージする」と発表したため、他社がビジネスの拡大を狙ってポジショニングを図っている可能性もある。
17年1〜3月期の全米小売売上高のうち、eコマースの構成比は8.5%にすぎないが、その伸びは消費支出全体を上回っており、多くの小売り大手は実店舗を閉鎖してより多くの商品を宅配するために販売戦略を調整している。FTIコンサルティングは17年のオンライン小売売上高について、前年比10%増の4360億ドルと予想している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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