ブランド品の偽物見分けます〜画像を学習、精度は98%超

 ニューヨーク大学の研究チームは、機械学習のアルゴリズムを活用して真正品と偽造品を見分ける照合認識システムを開発した。チームを率いたラクシュミナラヤナン・サブラマニアン教授がこのほど、カナダのハリファックスで開かれた「KDD 2017」会議で発表した。
 
 ギアーズ・オブ・ビズ誌によると、サブラマニアン教授は「システムの基本にある考えは、真正品の微細な特徴をとらえてその類似性を理解し、偽造品と比較することで区別すること」と説明した。照合認識システムは、同教授ほかニューヨーク大学の研究者らが設立した新興企業エントゥルピー(Entrupy)によって商業化され、ブランド品の真贋を見分ける装置が販売されている。
 
 偽造品は、ほぼあらゆる業界で大きな問題となっている。世界で売られている商品の7%は偽造品だと推定する報告もある。
 
 偽造品を見分ける手法にはほかにもあるが、製品を解体する必要があり、その過程で製品を壊す可能性がある。エントゥルピーの手法は、製品を壊すことなく真正品と偽造品を簡単に見分けられる。同社のシステムは、繊維や皮革、錠剤、電子製品、玩具、靴といったさまざまな素材の画像約300万枚をデータとして活用している。
 
 サブラマニアン教授は「判断の精度は98%を超えている。携帯電話のカメラ機能を使って日用品の真贋を確認できる」と、話す。
 
 エントゥルピーはこれまでに、投資家から260万ドルの資金を調達した。同社の装置によって真贋を確認した商品の総額は1400万ドルに上る。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  2. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  3. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  5. 私たちは習慣や文化の違いから思わぬトラブルに巻き込まれることがあり、当事務所も多種多様なお...
  6. カナダの大西洋側、ニューファンドランド島の北端に位置するランス·オー·メドー国定史跡は、ヴァイキン...
  7. 2023年12月8日

    アドベンチャー
    山の中の野花 今、私たちは歴史上経験したことのないチャレンジに遭遇している。一つは地球温暖化...
  8. 2023年12月6日

    再度、留学のススメ
    名古屋駅でホストファミリーと涙の別れ(写真提供:名古屋市) 以前に、たとえ短期であっても海外...
ページ上部へ戻る