モールもウェブ業者を歓迎〜Y世代の吸引力に期待

 オンライン販売業者としてスタートし、急激に顧客の数と知名度を高めた新興企業をテナントとして積極的に受け入れるショッピングモールが増えている。
 
 ■時代を先取り
 
 ウォールストリート・ジャーナルによると、米国の主なショッピングモールは従来、ほとんどの売り場を全国規模の小売りチェーンに貸し、それによって高い信用と望ましい品ぞろえを確保してきた。しかし最近は、大手チェーンよりオンラインで事業を立ち上げたそれほど有名ではない店や新興企業に注目している。
 
 理由は、モールが呼び込みたいウェブに精通した消費者、特にミレニアル世代(Y世代)に好まれる商品を各新興業者が提供する傾向が強いためだ。最近ロサンゼルスの西部にオープンした130万平方フィートのオープンモール「センチュリーシティ」には、菓子店シュガーフィナ(Sugarfina)、衣料品店ボノボス(Bonobos)、アンタキット(Untuckit)、眼鏡店ウォービー・パーカー(Warby Parker)、アマゾン・ブックスなど、その種のテナントが数多く入居している。 一部の店はショールームとして出店しているため在庫を持たず、客は気に入った商品を自宅に送ってもらうか、後日店に取りに来ることになる。こういう店は 在庫スペースが必要ないため規模は小さいが、豪不動産開発・小売り業者ウェストフィールドのピーター・ハドル副社長(開発担当)は「こうしたデジタル・ブランドの多くは、何が売れるかの理解や新時代の事業展開で時代に先行している」という。
 
 ■好条件を提示これまでは、実店舗を数多く持たない新興企業が一流のモールでスペースを確保することは難しく、小売りテナントを扱うバイアロウ・リアル・エステイトのコーリー・バイアロウCEOによると「(昔なら)センチュリーシティやショート・ヒルズには決して入れなかった」が、「今ではモール開発業者が有利な条件を提示して積極的にオンライン小売店を呼び込んでいる」という。
 
 大家にとって新興の小売店はビジネスの実績に乏しく、消滅する可能性があるといったリスクがある。アパレル店ボストン・プロパー(Boston Proper)やナスティ・ギャル(Nasty Gal)などは実店舗を開いたものの、最終的には数年で消滅した。
 
 しかしアナリストは、オンライン商取引の普及や消費者の好みの変化で小売業界は激しく変わりつつあり、このリスクは受け入れる価値があると見る。不動産コンサルティングCBREグループのアンソニー・ボノ小売サービス責任者は「今の時代はそうしないと革新的ではなく、不動産が本質的な価値を失う。不動産の価値が大幅に上昇しているのは、飲食、デジタル、アパレル、その他の娯楽分野の、非常に面白く独特な最新ブランドのおかげ」と指摘する。
 
 ■業者はモールを厳選
 
 不動産情報のコスター・グループ(CoStar Group)によると、オンライン小売店が営業する実店舗の総面積は14万209平方フィート(2017年10月末現在)で、12年の1万5435平方フィートから大幅に拡大した。
 
 とはいえ、モールの賃貸用スペースのうちオンライン小売店はまだ0.05%を占めるにすぎない。こうした新種のテナントは場所選びには慎重で、すでにオンライン顧客がいて新しい客を増やせる可能性の高い市場を好む傾向にある。このため各社とも、人口が多く所得の高い地域にある一流のモールに執着することが多い。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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