人工知能は人事も可能〜社内の部署新設で高い能力

ウーバーなど単発または短期の仕事を基盤とする経済、いわゆる「ギグ・エコ ノミー」の先駆者たちは、スマートフォン・アプリやアルゴリズムを使って個人 に仕事を振り分け、大成功を収めた。ところが最近は、既存の企業がフルタイム 社員を対象にこうした機能を使い始めている。

■適任者はだれか

ウォールストリート・ジャーナルによると、こうした企業は新しいツールで効 率が高まり、社員に違う種類の仕事をする機会も与えられると考えている。石油 大手ロイヤル・ダッチ・シェルでは、自動車整備部門のデジタル・ビジネスモデ ルの評価を行う人材を集める際、アルゴリズムを使って適切な知識を持った社員 を探し出して部署を立ち上げた。

人材探しにはボストンを拠点とするカタラント(Catalant)が設計した機械学 習ソフトウェアを使っており、各社員のその後の活動を追跡、評価することで次 に人材情報を照合する際の精度を上げることができる。シェルは2017年の早い時 期にこのシステムのテストを始めており、18年1月には8000人が働くB2Bマーケテ ィング部門全体で「シェル・オポチュニティ・ハブ」を立ち上げる予定だとい う。

■人間より判断が的確

こうした動きは、人材管理に人工知能(AI)を使うという大きな変化の一部 で、ハイテク調査ガートナーによると、人事や労働力管理ソフト市場は過去2年 間に23%成長して17年には115億ドルに達し、20年にはさらに25%成長すると見込 まれる。人間は確証バイアス(何かを検証する際に肯定的な情報ばかり集めよう とする傾向)といった不安定な心理を持っているが、情報量が増える一方のビジ ネスの世界では、管理職にはますますデータに依存した意思決定が求められるよ うになっている。これはまさに機械が得意とする分野だ。

ロンドン大学ユニバーシティカレッジのトマス・チャモロプレミュチック教授 (ビジネス心理学)によると、管理職には主に、各社員の可能性を見つけ、チー ムを作り、任務を割り当て、業績を評価し、フィードバックを提供する…という 仕事があるが、そもそも人間はこうした仕事が得意ではない。人事管理ソフトを 開発または活用している企業は、ソフトによって作業を迅速化でき、人間が直感 と経験で行っていた決定をデータで改善できると考えている。

■効率を最大化

人材管理ソフト開発の英インシリス(Insiris)は、欧州の主要港で100人の水 先案内人の業務割り当てを機械学習ソフトで行っており、船の喫水や案内人の過 去の実績など数十の変数を参考にしている。同業のネクサスAI(Nexus A.I.、イ リノイ州)は、独自のアルゴリズム(答えの見つけ方)を使って社員の情報や経 歴を調べ、プロジェクトごとに最も効率の高いチームを編成するソフトを提供し ている。ニューヨークのウェブサイト・デザイン会社B12は、フルタイムとフリーラン ス労働者による「フラッシュチーム」のワークフローを作成・管理するため「オ ーケストラ」というシステムを構築した。ウェブサイトを作る時にこれを使い、 他社にも無料で提供している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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