コーヒー豆の産地確認、ブロックチェーンで可能に

 コロラド州デンバーのコーヒー豆販売業者コーダ・コーヒー(Coda Coffee)は、世界で初めてブロックチェーン(分散型取引台帳)技術で商品の流通経路をたどれるコーヒー豆を提供している。
 
 ■さまざまな業界が注目
 
 ウォールストリート・ジャーナルによると、購入者は購入したコーヒーに付いてくるQRコードをスマートフォンなどでスキャンすると、豆の収穫から洗浄、乾 燥、脱穀、輸出、ばい煎、小売まで、そのコーヒーに関するすべての取引が行われた日と場所を確認できる。コーダ共同設立者のトミー・スウェイツ氏は「独自に確認していない情報を袋に記載する店が多いが、このやり方なら消費者が自分でコーヒー豆を農家までたどれる」と説明する。
 
 近年は自分が使う商品について詳しい情報を求める消費者が増え、企業は取引業者との関係を効率的に開示できる方法を模索している。ビットコインなど仮想通貨の取引を支える技術として知られるブロックチェーンは、金融、食品、不動産など多くの業界から注目され、各社は情報共有の改善や取引の迅速化を目的に試験導入している。穀物大手カーギルは、顧客が購入した七面鳥の流通情報を得られるようブロックチェーンを試験的に使っており、オフィス共有サービスのノーテル(Knotel)は、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンのビル45件でオフィススペースを短期リースするためブロックチェーンを使っている。
 
 ■コーヒー豆は最適
 
 コーヒー豆は、農園が世界中の遠い場所にあり、流通は卸売市場や地域の配給業者が関わって複雑なため、透明性の向上を目指したブロックチェーン技術を活用するのに理想的な商品といえる。コーヒーショップ大手スターバックスは2018年3月、コスタリカ、コロンビア、ルワンダの農家向けに「トレーサビリティ(追跡を可能にする)技術」を開発するため2年間の試験プログラムを行うと発表した。担当者は「これまでコーヒー豆の長距離移動で大きな技術革新がなかった業界に、地殻変動が起きる可能性がある」と話している。
 
 コーダの追跡可能な豆が栽培されているアフリカのウガンダ東部では、農家が収穫したばかりのコーヒーの実(豆は種の中の部分)を最新の機械に投入し、機械は3D(3次元)スキャン装置によって1分間に約50キロの豆を分析し、1つ1つにロット番号を割り振る。機械はデンバーの新興企業ベクスト360(bext360)が設計したもので、農家ごとの豆の質や特徴に関する詳しい情報を集められる。消費者はそれらの情報によって豆の出所が調べられるほか、卸業者やばい煎業者などは供給量の調整ができる。
 
 ベクスト360は、機械とブロックチェーン・プログラムの使用料として生産者とばい煎業者から豆の卸価格の1〜2%を得ている。同社は、このサービスによって書類記入などの日常的な作業がなくなるため、供給網のコスト削減につながると見ている。販売業者のコーダは、追跡可能なウガンダ産のコーヒー豆をそれ以外のコーヒー豆とほぼ同じ12オンス当たり14.25ドルで販売している。
 
 コーヒー農家は豆の質の評価や適正価格の設定を仲介業者に依存することが多いが、ベクスト360を設立したダニエル・ジョーンズ氏は同社のシステムによって不確実性が排除されると指摘し、「価値の高い豆には高い値段が付き、生産者により多くの資金が渡れば供給チェーンがより良くなる」と話している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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