自動運転車(AV)の開発競争が激化する一方で、完全自動運転(レベル5)のAVが普及するには時間がかかると見られている。しかしAVの出現は巨大な商機と見る業界が、自動車業界以外にもある。
フォーブス誌によると、レベル5のAVが普及すれば、自動車は移動手段から移動リビングルームに生まれ変わり、各種の車載設備はそれぞれ新しい広告媒体になると考えられる。
車で通勤する人々は運転から解放される結果、移動中にスマートフォンやパソコンのほか、車載指触操作スクリーンや映写機、位置情報機能を自由に使えるようになり、それらが広告媒体となる。位置情報機能と組み合わせることで、搭乗者の好みと地域の商業情報に基づいた広告表示が可能になる。従って完全AVでは先進的な個人向け販促の機会が実現する。
米国では、個人が車の運転に費やす時間は年平均1万7600分(293.3時間)と言われる。その時間が解放されることで巨大な広告市場が生まれることはほぼ確実だ。
企業の販促担当者にとって、AV搭乗者市場は未知の世界だ。移動する居間でどのような商品広告を展開できるのか、消費者向けブランド会社や販促専門業者は、今後の手法開発を試されることになる。
ただ、車中で見聞きする広告が増えることでAVに乗る人の感覚がまひすることも指摘される。やみくもに広告を垂れ流しても効果が出なくなる時がいずれ来るため、付加価値を見つけて関心を引きつける手法が必要になることも考えられる。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集
-
2024年4月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 自動車関連
中国の自動車メーカー、慣行覆しEV生産を迅速化
-
2024年3月28日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、テキサス州で社員向けロボタクシー運行