IBMや大学、湖の水質分析にIoTを活用 〜 水源保護に向けたモデルを構築
- 2015年7月7日
- 環境ビジネス
モノのインターネット(IoT=Internet of Things)技術を活用して水源を保護するためのプロジェクトがニューヨーク州のジョージ湖で進められている。
ビジネス・クラウド・ニュースによると、この「ジェファソン・プロジェクト(Jefferson Project)」は、レンセラー工科大学とIBMリサーチ、そして非営利団体のファンド・フォー・レイク・ジョージ(The FUND for Lake George)が協力し、検知器や大規模データ(big data)分析を活用して、水源を保護するためのモデルを作ることを目指している。
ジョージ湖では過去35年にわたってプランクトンの化学分析を継続しており、汚染物の流入や観光、気象といった各種の要因の影響が水質にどのように表れるかを追跡してきた。最近では、太陽光発電で電力を得る水中ソナーの検知器が設置されたことで、測定できるデータの幅が広がった。
同検知器は、IBMが開発した独自のソフトウェアに接続されており、それをホストするスーパーコンピュータがレンセラー大学キャンパス内のデータ・センターに置かれている。
ジェファソン・プロジェクト責任者のリック・レイア氏は、IoT対応検知器によってデータの精度が格段に向上し、観測したパターンからモデルを構築する処理過程が改善した、と説明している。
「同プロジェクトでは、生物学者や環境学者が技術工学者や物理学者、コンピュータ科学者、気象学者と密接に連携して、大きな湖を詳細に理解するという貴重な機会が作られている。過去に例のないことだ」と、同氏は話す。
研究者らは検知器の生成した初期データを使ってさまざまのモデルをすでに開発している。気象の変化や塩分の流入、観光客の増減にともなう水質変化を予測するためのそれらのモデルは、将来的にほかの多くの湖に応用できる、とレイア氏は説明している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集
-
2024年4月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 自動車関連
中国の自動車メーカー、慣行覆しEV生産を迅速化
-
2024年3月28日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、テキサス州で社員向けロボタクシー運行
-
ハーバード大、急速充電が可能なリチウム金属電池を開発
-
2024年3月21日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
6割がブランドより接続性重視~EVドライバー調査、マッキンゼー
-
2024年3月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
少しの「つながる車」情報で信号機のタイミング調整