住宅用エネルギー管理システム、三つの成長要因 〜 テックナヴィオが予想
- 2015年9月28日
- 環境ビジネス
世界の住宅用エネルギー管理システム(HEMS=home energy management systems)市場は、2019年までに20億ドルを超えると予想される。年率平均26.8%での成長が続く計算になる。調査会社のテックナヴィオが報告した。
クリーンテクニカ誌が報じたテックナヴィオの調査報告によると、HEMSは、照明制御をはじめ、自動監視システムおよびサービス、プログラム可能型の接続型室温調節器、インテリジェントHVAC(heating, ventilation, and air conditioning)コントローラー、そして、先進型中央コントローラーという5つの製品分野によって構成される。
それらの製品は、利用者が電化製品や機器類、各種の設備の電力消費量をリアルタイムで簡単に追跡でき、過去のデータと比較することで、節電意識を高め浪費を簡単に避けられる消費行動をうながし、電力消費量を減らす効果をもたらす。
テックナヴィオでは、同市場の好調な成長の原動力として、次の三つが挙げられると指摘する。
1)節電意識の高まり
2)スマート・グリッドへの投資増加
3)電力会社とサービス・プロバイダーによる同梱サービスの台頭傾向
市場動向に影響を与える要因としては次の二つが挙げられる。
1)主要企業による投資増加
2)エネルギー消費最適化の必要性
エネルギー・コストは世界的に上昇しており、世界的な人口増や環境への悪影響から、エネルギー効率化と省エネルギーの意識は強まる一方で、それを受けてHEMSの需要の好調はしばらく続くとテックナヴィオは予想する。
テックナヴィオによると、HEMS市場は現在、シスコ(Cisco)とGE、ハネウェル(Honeywell)、パナソニック、そしてシュナイダー・エレクトリック(Schneider Electric)の5社によって牛耳られている。
しかし、ほかの準大手や新興企業の台頭もあるため、それらの5社は競争に備えて投資を強化するとみられる。
一方、HEMS市場成長の妨げになる要因としては次の三つが想定される。
1)初期投資の大きさ
2)サービスの多様性が限定的
3)HEMS製品に関する全体的な意識の欠如
しかし、新規参入組の増加によって、革新的なHEMSはより高い価値を末端利用者にもたらす製品に進化することで、さらなる市場成長が続くと予想される。
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