テスラ(Tesla)の電気自動車向け電池をオフィス・ビルの電源として利用する試みがカリフォルニア州で始まる。
不動産開発業者のアーヴァイン・カンパニー(The Irvine Company)と新興企業のアドバンスド・マイクログリッド・ソリューションズ(Advanced Microgrid Solutions)が明らかにした。
フォーチュン誌によると、両社は車5台分の駐車スペース大の電池施設(battery farm)をカリフォルニア州アーヴァイン市の建物に隣接して設置する。
両社は、冷房が一斉に稼働する真夏の午後のように送電網経由の電力需要が非常に高まるときに、アドバンスド・マイクログリッドのソフトウェアによって電池による電力供給に切り替える計画だ。
アドバンスド・マイクログリッドは、電力会社サザン・カリフォルニア・エジソン(Southern California Edison)に50メガワット相当の電池システムを供給する契約を結んでいる。その契約の一環として、約1万戸の電気使用量にあたる約10メガワット分の電池システムを2016年中にアーヴァイン市で設置する。
GTMリサーチは、米国全土で約220メガワット相当の電池が2015年中に設置されると予想する。また、サザン・カリフォルニア・エジソンは、向こう数年間にカリフォルニア州で250メガワット相当の電池を設置する計画だ。
電力会社は電池を利用することで、給電安定性を保つとともに、発電所の新設といった新規投資を避けることができる。
また、建物所有者は、電気代が高い時間帯に電池に切り替えることで、月々の電気代を節約できる。
アドバンスド・マイクログリッドは同計画の初期段階として、テスラ製電池を24棟に設置する。アドバンスド・マイクログリッドによると、送電網のピーク時電力需要がそれによって25%削減される。
テスラは、電気自動車向けリチウムイオン電池を電力会社や不動産開発業者、住宅所有者に販売する新部門を5月に設立している。
テスラとアドバンスド・マイクログリッドのほかにも、AESやステム(Stem)、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)が電池を商業利用する新事業立ち上げに取り組んでいる。
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