ヴェスタス、風力タービンの研究開発を強化 〜 微風でも高出力、静音も実現

 風力発電開発を手がけるヴェスタス(Vestas)は、新しい風力タービンの研究開発を進めている。

 コロラド州グリーリーのトリビューン紙によると、同社は3メガワット・プラットフォームから派生した最新の製品「V136-3.45MW」タービンの最適化に取り組んでいる。風力が弱い状況での性能と清音化を特に重視し、出力量を高め、エネルギー・コストを低下させるのが狙いだ。

 風があまり吹いていない場所での性能を高めたV136-3.45MWは、同社の陸上ローターのなかで最大の直径で、鋼鉄塔に関する独自の特許技術や先進的な羽根(ブレード)設計によって高効率を実現した。V126-3.3MWに比べて年間出力量が10%以上高く、音量は小さくなった。

 新しいタービンの製造地は未定だ。ヴェスタスはコロラド州内4ヵ所に製造工場を持っているが、今後は別の場所での工場設置の可能性もほのめかされている。

 「開発計画の現場近くで製造することには大きな利点がある。当社の生産計画は地元の需要に依存しており、今後のことは状況次第だ」と、デンマークにある同社本社のマイケル・ザリン広報担当者は話す。

 同社は新しいタービンを世界各地で販売開始しており、「良い反応を感じられる」とザリン氏は話している。

 V136-3.45MWの設置第1号は2016年中で、デンマークの国立試験所となる見通しだ。2017年の下半期には本格的な生産体制に入る計画だ。

 ヴェスタスは、カーボン製羽根の研究開発を過去15年にわたって進めてきた。V136-3.45MWはもっとも先進的な製品で、軽量かつ耐久性に優れている。

 同社の落雷防止システムは業界でも最高水準の性能を誇り、さらに加速時間経過試験で製品寿命にわたる信頼性も確認している、とザリン氏は説明している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  2. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  3. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  5. 私たちは習慣や文化の違いから思わぬトラブルに巻き込まれることがあり、当事務所も多種多様なお...
  6. カナダの大西洋側、ニューファンドランド島の北端に位置するランス·オー·メドー国定史跡は、ヴァイキン...
  7. 2023年12月8日

    アドベンチャー
    山の中の野花 今、私たちは歴史上経験したことのないチャレンジに遭遇している。一つは地球温暖化...
  8. 2023年12月6日

    再度、留学のススメ
    名古屋駅でホストファミリーと涙の別れ(写真提供:名古屋市) 以前に、たとえ短期であっても海外...
ページ上部へ戻る