田淵電機は、カナダのオンタリオ州でソーラー・プラス・ストレージ(太陽光発電と蓄電を統合した設備)の家庭向けシステムの設置を拡大している。
フォーブス誌によると、オンタリオ州での田淵電機による設置件数は30世帯ほどで、オシャワ市の公益会社オシャワ・パワー&ユーティリティーズ(Oshawa Power and Utilities)の試験導入として進められている。
同事業は、日本の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が部分的に資金援助している。
田淵電機のシステムは、「エネテラス・インテリジェント・バッテリー・システム」、略して「EIBS(アイビス)」と呼ばれており、高効率の太陽光発電にリチウムイオン電池の蓄電装置を組み合わせたものだ。双方向インバーターによってソーラー・パネルで発電した電力だけでなく、送電網から供給される電力も蓄電できる。蓄電容量は約10キロワット時。典型的な世帯の約3日分の電力に相当する。
使用者の希望に応じていくつかのモードで運用できるが、初期設定は、自家発電と送電網からの電力供給を併用して、エネルギー市場の状況に合わせて光熱費の節約を最大化するように設定されている。
田淵電機は変成器(電圧や電流の値を調整する装置)から事業を起こし、1995年にインバーターの製造を始め、2011年に太陽光製品となるエネテラスを投入した。
同社にとって太陽光事業は大きな成長要因で、2014年にはインバーターの出荷数が100万個を上回った。2014年における日本での同社製インバーターの設置量は1.5ギガワット以上に達した。
オンタリオ州のインディペンデント・エレクトリシティー・システム・オペレーター(IESO)は先月23日、計9ヵ所、16.75メガワットに上る蓄電プロジェクトを5社に発注している。
田淵電機の小規模プロジェクトは、IESOのプロジェクトの一環とは位置付けられていないが、将来的には組み込まれる可能性もある。そうなれば田淵電機によるソーラー・プラス・ストレージの設置件数はさらに増大する。
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