共通基金の資本注入容認 欧州銀行同盟、一歩前進

 【共同】ブリュッセルで15日開かれた欧州連合(EU)財務相理事会は、ユーロ圏の銀行が資本不足に陥った際、共通基金の「欧州安定メカニズム(ESM)」から直接、資本を注入することを容認する声明を採択して終了した。

 ESMからの資本注入は2012年6月のEU首脳会議で方針が示されたが、その後ドイツが反対に転じ、実現が危ぶまれていた。銀行救済に伴う国家財政の悪化が金融不安を拡大するという悪循環を断つための銀行同盟は、今回の理事会の合意で一歩前進した。

 声明は銀行の資本増強の際には、まず銀行による自力調達を求め、不可能な場合は、銀行が本拠地を置く国の公的資金を活用すると手順を明記した。ESM資金の活用は、当該国の財政に余裕がない場合の最後の手段とし、上限を600億ユーロ(約8兆1000億円)とする。ESM活用の際には、銀行の債権者にも負担を求める。

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